現在、持ち込みオーダーのスケジュールが立て込んでいて、ジャガーもあと一歩のところで放ってあるのですが、正月に実家に持ち帰って塗装を剥いだ表題のテレも、東京に戻って細々と作業を続け、8割方出来てきたので記事をスタートします
ネットで調べてみても、まったく正体は分かりません
しかしそうであればこそ、国産だからイイとか、中国製だからダメだとか、そういった偏見丸出しの姿勢から解放され、現物を目の前にして曇りのない目で楽器を評価できると思います
ネットで見られる画像はデータの小さいサンバーストの1枚と・・・
あとはヤフオクに出ていたホワイトの1枚ですが、それは規制がかかっているのか画像データの保存ができませんでした。出品者は説明文に、聞いた話として「ディバイザーの製品だと聞いている」と書いています。それが事実かどうかは確認が取れていませんが、あまたある中国製とは加工の痕跡や使ってあるパーツも異なる物ではあります
まずは私の気づいたポイントを列挙します
①中国製の多くがマット塗装であるのに対し、上のヘッドの画像でも分かるように艶のあるグロス塗装でフィニッシュしてあります。
【トラ杢の入ったメイプルネック】
ネックの裏の画像でもグロス塗装であることが分かります。
②ナットの裏側付近も、出っ張りがなく、私がいつもやっている整形作業は必要ありません。
③ボディーのフロントPUからコントロールキャビティに向かうコード溝のザグリ形状も、他の中国製には見られない独特な形状をしています。
④中国製であってもバックローディング仕様になっているブランドはいくつかありますが、弦留め用のブッシュは径の小さい物が使われています。対してコレはオリジナル同様の10㎜前後の大きな物が使われています。しかも、ちゃんと淵の部分も埋め込み式になっています
【ブッシュはきれいに一列に並んで精度の高さを誇っています】
⑤塗装を剥いでみると、フェルナンデスのような化粧板が貼ってあったので、いつものように剥ぎました。
ただし、普通は5~7ピースのような多ピース材に用いられる化粧板ですが、不思議なことにこのテレは木目も悪くない4ピースでした。
ちなみに重量を測ってみると、ジャスト3.5㎏とちょうど良い重さ
メイプル指板なので、いつものようにペグをクルーソンタイプに換装し、ピックガードは黒1プライに、ジャックはカップ型に変更して50年代風に仕上げます