2ndプロトは連載スタートから完成までに1年を要しましたが…実を言うと、もっと長いこと寝かせてあったギターも複数あります
正確には、寝かせては起こし…また寝かせては起こし、といった感じです
それが表題のギター、島村楽器の安ブランド「Laid Back」のレスポールです。History、CoolZの下のブランドですが、(安ギターの中では)なかなか評判の良いブランドのようです。
現在のホームページを見ると、もうレスポールモデルは販売しておらず、ストラトとテレタイプしかラインナップされていませんでした。それぞれ5万円前後で売られているので、レスポールタイプだともう少し高かったかもしれません。いずれにせよ、石橋楽器のMavis等よりはずっと本気度の高い楽器であることは、塗装を剥がした時に判明します
昔のこと過ぎて、いつ頃いくらで買ったのかも忘れました
買って丸一年は手つかずの状態で、作業を始めたのは2019年の夏です。
ポリシーラーも強固で厚く、全ての塗装を剥ぐのにストラトの3倍くらい時間がかかり、再び放置すること半年以上
レスポールはもうやめよう、と思うのですが、喉元過ぎれば何とやら…で、ついつい手を出しては後悔するということを繰り返しています
そもそも、どういう風にカスタムするか、というビジョンもなく購入したので途中で作業がストップしたのも当然といえば当然かもしれません
私にとって黒いレスポールカスタムというと、ジョン・サイクスということになるのですが、パーツをクロームで統一する以外は大してやることないし、いろんなブランドからコピー品も出ています
ハードレリックするならやっぱり鮎川誠ですかね
邦楽聴かない私ですが、福岡県出身なので子どもの頃から耳にする機会は多かったです。
とにかく買ってしまった以上は何かやらないと記事にもできないので塗装を剥がし始めたのですが、正直少し驚きました
メイプルトップにマホガニーバック、ディープジョイント構造といったレスポール本来の造りをしています ロッド調整もボックスレンチでやるタイプ
【トップはほぼ均等割りの4ピースメイプル】
【トップのメイプル材は十分な厚さです】
【ディープジョイント構造】
【バックには目の詰まったマホガニー材が使われています】
ただし、ボディートップの形状がまるでなっていません
昔のヤマハ製レスポールモデルのように、トップが直線的に盛り上がっていて、ボディー周囲のえぐれが全くありません これだと断面はただの台形ですね。
これは塗装やポリシーラーを剥がすだけでは済まず、トップ材をかなり削り込んで整形する必要があります
この作業には外丸カンナと反り台カンナの特徴を合わせ持つ特殊なカンナが必要になりますが、ホームセンターなんかでは売っていないので、かなり探しました
むろんカンナでは大雑把に削るだけで、それを手作業でなだかなカーブに仕上げます。
アーチドトップの3次元的な形状修正を安物のレスポールに施す人などいないと思いますが、せっかくちゃんとした材料で作られているレスポールですから頑張って仕上げましょう
化粧板剥がしよりもずっと大変だ~
完了して、こうやって斜めから見ると、ボディートップの外周部がエッジ部分よりもやや深く削り込まれてグラマラスな形状になっているのが分かると思います
やっぱりレスポールはこうでないといけませんね
力尽きてこの状態でさらに半年以上ほったらかしましたが、安ギターはシーズニング(自然乾燥)期間に不安があるので、ちょうど良かったかもしれません