ここ数日作業ができていないので、すでに済んでいる作業の小ネタで繋ぎます
SUGIZO Vは塗装の吹きつけまで済んでいて、水研ぎや研磨まで乾燥を待っている状態ですが、ここのところ数日おきに雨が降るので、春が近いなぁ~と感じています
組付けを前に、あらためて画像をながめていると、ネックにポジションマークが見当たらないことに気づきました
これは、このモデルの大きな特徴になっているポイントですが、残念ながら私が採用するTARGETのネックには(当然のように)ドットポジションマークがあります
所詮「なんちゃって」なのですから、少し前の私であれば「これくらいは仕方なかろう」で済ませていたと思います
しかし、そんな気持ちで以前の自分に留まっていたら、ビルダーとしての進歩はありません
かといって、10万や20万で売れる楽器を作っている訳ではないので、指板材の張り替えまでは踏み込めません
ここが、微々たる予算で63万円もするモデルの「なんちゃってレプリカ」を作らなければならない、おもちゃビルダーの悩みどころです
悩んだ末、ベースをフレットレス加工する際にたまに用いられる方法を採用します
私は過去、順反りでロッドを限界まで使い切ったネックをアイロン加熱矯正する際に、失敗したネックを全て廃棄せずに保管しており、それが10本ほどあります。
当然ペグやロッドナット、ポジションマークなどを部品として再利用するためですが、これら不用となったネックからは、かなりな量のメイプル材やローズウッド材も取り出すことができます。
私の未熟さゆえ、いわば授業料として犠牲となったこれらの部材からは、その恩に報いるため、骨の髄まで取り出して再利用します
まずはTARGETのネックからポジションマークを全て取り外します。
次に、ドナーとなるベースの指板からポジションマークと同じ6㎜径のプラグを切り抜きます。
24フレットネックなので、計10個切り出します。
このプラグをTARGETのフィンガーボードに移殖します。作業途中の写真を撮るのを忘れましたが、木工ボンドで取り付けたあと、ヤスリで表面をならして400番のペーパーで仕上げます。
私の「なんちゃってシリーズ」に関心を寄せる方々の多くは、上級者というよりは、SUGIZOさんに憧れる若いギタリストや、初級~中級あたりのギター愛好家が中心だと思うので、ポジションマークが完全に無くなってしまうという状況は避けるべきでしょう
そのため、ローズウッド材を切り出したベースは、元のTARGETの指板材よりは若干明るい色をした指板の物を選びました
ひと手間かかりましたが、費用はまったくかけずに済みました