邦楽をほとんど聴かない私ですが、個性的なギターには興味があります
日本人ギタリストの場合、FENDERやGIBSONがトリビュートモデルを出すような改造ギターはほとんどありません。本人専用モデルを新たに製作することはあっても、長年愛用された楽器の改造箇所やキズまで復刻するようなモデルではないですね
もっとも以前書いたと思いますが、ジェフ・ベックのエスクワイア、オックスブラッドやテレギブ、アンディ・サマーズのカステレやP・フランプトンのLPカスタム3PU等、どれも本人入手時にはすでに改造済みだったモデルがほとんどですが、日本人はあまりギターの改造をやらないか、プロ任せという印象を受けます。
私の「なんちゃってシリーズ」では、以前リクエストを受けて製作した「有山じゅんじジャガー」が改造らしい改造を施したモデルでした。
すでに4本を製作したSUGIZO D2ですが、調べる過程で現在はナチュラルバージョンもあるのを見つけました
フィンガーボードもイプルネックなので、すごく明るい印象になっていてカッコイイですね
木目の良いボディーが入手できればぜひ製作してみたいと思ましたが、D2はすでに4本も製作していて面白みがありません
さらに調べると、こんなのもありました
なんとD2のフライングVバージョンで、ECLIPSE V-IXという名前だそうです
どうせやるなら難易度の高いものにチャレンジしないとビルダーとしての進歩がありません
・・・という訳で、これを落札しました
FERNANDESのBSV‐90というモデルのボディーです
ネックも同時出品されていましたが、それはV特有の三角形に尖った形のヘッドなので、このモデルには使えません
それでネックにはコレを落札しました
同じFERNANDES系列のTARGETのネック
調べるとBSVは314スケールの22フレット仕様。一方TARGETのこのネックは314スケールですが24フレット仕様です
画像と入念ににらめっこし、ボディー側のネックポケットがフロントPUキャビティーと繋がっていることや、元がシンクロではなくロックユニット搭載らしいので、トレモロキャビティーのサイズも大きくてシンクロの搭載位置に若干の自由度が見込めること。
ハムバッカーに比べてP-90はやや細いので、その分ネックを深く挿し込めそうなこと。最悪の場合は24フレットネックのエンド部をやや切り詰めることを覚悟して入札しました
※結果はつば出し部分をカットすることで24フレットのまま使用可能でした
塗装を剥ぐと、さすがに高級機なだけあって美しいアルダー材でしたが、次なる問題はBSVの裏側から彫られたコントロールキャビティで、POTやスイッチ、アウトジャックの配置もECLIPSE V-IXとは全然違います
これらを大手術でもってSUGIZOモデルに近づけていきます。さらにピックガードもワンオフ製作します。
【ピックガードに隠れる部分を大胆にカットしていきます】
【元のアウトジャックの穴は塞いでしまいます】
【裏側から見るとこんな感じ】
ESPの本物は定価63万円の受注生産なのだそうです