テレキャスターにとって、1959年という年は実に慌ただしい年でしたDASH!

この年、FENDER社が当時ラインナップしていた全モデルにローズウッド指板を導入したことはよく知られているところですが、テレキャスターにとっては他にもいろいろと小変更が加えられています。

前58年後期から採用された弦のトップローディング方式に対する評判が良くなく、59年中期には元のバックローディング方式に戻されます。これはボディー加工の工程に変更が必要になるだけではなく、トップローディング用に新しくデザインされたブリッジプレートには裏通し用の穴がなかったことからパーツへの再加工も必要でした。

また、ローズウッド指板導入と同時にテレキャスター最初のバリエーションモデルであるカスタムテレキャスターが発表されますが、そちらは豪華仕様ということで3プライピックガードが採用されています。一方、スタンダードのテレキャスターの方は1プライピックガードのままですが、それまでの5点留めからネジが3本増えて8点留めに変更されます。いうまでもなくピックガードの「浮き」を防止するためです。

他には、外見が変わらないのでプレイする側の人間にとっては気付きもしない変更ですが、フレットの取り付け方法が大きな変更を受けています。普通に上からハンマーで打ち込むのではなく、6弦側から1弦側に向けて、フレット溝に滑り込ませるように取り付けられています。

 

この年に集中して行われた変更にも時差があるため、その特徴を全て併せ持った個体というのはレア仕様ということになります。なのでテレ本の類にも典型的な1959年製の写真はほぼ見当たりません。57年から60年に飛んだりしてます目

そんな中で、ジミー・ペイジのドラゴンテレが貴重な1959年製のトップローディング仕様だと言われているので、ローズ指板ということは元は8点留めホワイト1プライガードだったと思われますが、残念ながら一部面積を拡大したクリアガードに取り替えられてしまっています

 

 

・・・という訳で、今回は安物中国製に多く存在するトップローディング仕様のテレをベースにして59年風のテレを組んでみます。いつもは苦労してバックローディング加工を施す私ですが、今回は楽させてもらいます。

     【塗装を剥ぐ前の写真を撮るの忘れましたチュー

 【トップローディングなので弦留めブッシュはありません】

黒いボディーを単品落札した物ですが、ザグリ形状から間違いなくBUSKER'S製です。たまにフロントがハム形状にザグられた物もありますし、形状だけでいえばMAVISもこのザグリです。しかし使用されている材がMAIVSとは違いますし、何より別にストックしていたBUSKER'Sのネックがジャストフィットしました。(ネック側のネジ穴は当然開けなおします)

生地着色とともに凸凹のネックポケットの精度を上げ、穴も塞ぎます。

このBUSKER'Sは最初からトップローディング仕様なので、1959年風にするならリフィニッシュだけでも充分ですが、それだけでは面白くないので2018年11月28日の記事で実施した改造をさらに一歩進める形で完成させます。

フロントにフィルタートロンPUを搭載し、さらに(まだ在庫のある)シリーズ接続用の4ウェイセレクターを装備しますパー

いつもはトリマーを使って1~2分で作業を完了させますが、今回も作例としてノミとヤスリで仕上げてみます。時間は10倍以上かかりますが、トリマーの粉塵による部屋掃除の時間を勘案すると、こっちが早いかも爆  笑

 【ここまでノミで切削し、あとは棒に紙ヤスリを巻きつけた物できれいに仕上げます】

 

前回の物はダフネブルーで普通に塗装しましたが、今回はひと手間増やしてマルチレイヤーにします。

 

         【これに一度トップコートを吹き、水研ぎも実施します】

     【水色を吹いてまた水研ぎ・さらにクリアを吹いてまた水研ぎです】

 【トップコートの色焼けを表現するために、ややグリーンがかった色味で吹きます】

 

もう完成しているので、明日には完成品の画像をアップしますウインク