例のBLACK CAT製テレキャスターのオークション最終日が明日に迫りました。
昨日コメント欄の返信に、出品者は年長者でもあるのでまあ仕方ないか、みたいな事を書いてしまいましたが…先ほど当該商品の質問欄を見ていると、昨日1つの質問が寄せられており、それへの回答も投稿されていました。そのやりとりは以下の通りです。
【質問者】
フェンダーでは無いのですよね?
【出品者】
詳細不明です。バックプレートにチャイナの文字がありますが、前の持ち主は信頼性が高いので使ったと言う事です。フェンダーよりいいと言っていました。 ネックはフェンダーかも知れません。
私が論評を加える前に、明確にしておきたい事が1つあります。
私がジャンク品としてこのテレキャスターを入手する以前の履歴は知りようがありません。しかし、私がこれを購入してカスタマイズを施した上でヤフオクに出品し、この方が落札したのであって、その間に他の所有者は存在しません。
出品者の評価をご覧ください。1553の評価のうち、「悪い」はたった1つですが、その履歴内容を見ていくと、25個ずつ表示されるページの4ページ目上から16段目に私のID「mmt4brun」からの評価を受けています。
以前は落札物のタイトルも表示されていましたが、いつ誰が何を購入したのかも個人情報とみなされるようになったのでしょう。現在では(落札した商品名は公開されません)という表示になっています。しかしこれは「第三者」が閲覧できないようになっているだけで、出品者であった私のアカウントでははっきり表示されています。そのタイトルは、一切の言い訳を許さないものです。
「Legendのテレキャスターを50年代風にリビルド」
私の出品物を日々チェックしておられる方には見慣れた表現で、ただ最近は、私を業者だと誤解なさる方も見受けられるため、冒頭に「プライベートカスタム:」の一句を加えるようにしています。
現在出品中の完成品も当然そうですが、タイトルになければ商品説明文の冒頭で元ブランドを明記しています。
では出品者の「回答」に論評を加えてみましょう。
「詳細不明です」
出品者は「Legendのテレキャスターを50年代風にリビルド」というタイトルの商品を落札したことが記録としてハッキリしているのですよ。
さらに出品者は入札する際、私の説明文にある「詳細はブログを参照」の指示にしたがって当時は有効だったリンクから製作記事を参照し「詳細」を確認した可能性は限りなく大きいです。
「前の持ち主」
「前の持ち主」とすることで、人の手から手へと渡ってきた印象を与え、その出所をうやむやにしようという意図が丸見えですが、出品者の取引履歴に私からの評価が存在し、そのタイトルが「Legendのテレキャスターを50年代風にリビルド」である以上、「前の持ち主」は私以外ではあり得ません。
「信頼性が高いので使った」
このような表現が私のブログの製作記事中にあるかどうかは現在でも、誰でも確認できます。(2019年3月8日・3月9日の記事参照)
むしろこの初期LEGENDは、近年の物よりフォトジェニやセルダーの品質に近いと書いています。
「フェンダーよりいいと言っていました」
今回一番腹が立ったのはこの文句ですね!
私のブログ、投稿が全カテゴリーを総計すると300をとっくに越えていますが、その至るところで私はレオ・フェンダーへの畏敬の念を表明しており、こんな文句が口をついて出てくるはずがないのですよ! 画家が模写を通して巨匠の魂に触れるように、数々のレプリカ製作を通して半世紀以上前のレオの設計の先見性や合理性に圧倒されるのです。
「ネックはフェンダーかも知れません」
この方、決して言ってはならないことをついに口にしてしまいましたね。
ジョイントプレートに「made in china」とある以上、ボディーがFENDERとは主張できないと思ったのでしょう。突っ込まれても、「かも知れません」とすることで予防線を張っています。
以上のような感想を持ちましたが、出品者を責めるだけでは済まない責任も若干感じています。
多少分かる人であれば、ロッド調整口を見ればネックもFENDER製ではないことは明白ですが、出品者はアップ画像を掲載していません。
ロッド調整口の内側をブラウンで塗装することで、遠目にはメイプルワンピースネックのブラウンエッグに見えるように加工するのは私自身の手法です。
(2019年10月31日の記事「テレ改造は続く…②」参照)。
またネック本体でいえば、6弦ペグ付近の角に丸味を持たせ、ナット裏の醜い出っ張りをなだらかに成形し、つば出し22フレット部分は切断して最初からそうであったかのようにキレイに処理しました。
LEGEND製の特徴をことごとく排除してFENDERオリジナルに似せたのは私自身で、もしこれが私以外の製作者の作品であれば、これをLEGEND製だと特定するのは私でも無理でしょう。
今回はたまたま出品されていることに私自身が気づきましたが、これがさらに人の手から手へ渡っていく過程で、すぐにでも「詳細不明」の謎のギターということになるのは避けられません。もっと言えば、私がやっていないメルカリなんかに流れたら、「海外ビルダーの作品かも?」なんてことにされてしまうかもしれません。
子はいずれ親元を離れて自分の人生を歩むものですが、それにしても「FENDERかも?」は絶対にいけません。
2年前の取引のIDを覚えていて気付くという可能性はほとんどありませんが、最後の警告として私自身も入札しておきます