いつもより一段とハードなレリック加工を施したのは、プレイヤーによって第一線で酷使されてきた個体をイメージしたからです。ヴィンテージギター写真集の被写体に選ばれるような、長年オリジナル状態を保たれつつグッドコンディションで受け継がれてきた個体は、どこか現実味がありません。
今回製作したものは、「ブラックガード」仕様でありながら、ペグはロトマチックに交換、ストリングガイドが羽根型になっていたりします。メンテナンス性を考慮してネジ類もプラスになっています。
ピックアップはフロント・リアともにフェライトマグネットとただの鉄でできたポールピースを撤去し、アルニコポールピースを打ち込んであります。フロントハム改造こそ施してありませんが、シリーズ接続回路を盛り込んだ4ウェイセレクタースイッチを導入し、ハム風の太い音も出せます。重量も3470gと理想的なウェイト。
ネックはストラト用だったものを、ヘッドとネックエンドを整形してテレに対応させています。言われなければ気づく人もいないでしょう。ジョイント部のフィッティングを優先した結果です。
最後に宣伝をさせていただきます。高橋ツトムさんという漫画家がいらっしゃいますが、ビッグコミック6月増刊号で新連載を開始されました。題名は「ギターショップ ロージー」です。ある兄弟が営む楽器屋に持ち込まれるエレキギターにまつわるドラマが、エレキギター好きにはたまらない物語になっています
初回はいきなりヴィンテージのテレキャスターが持ち込まれます。
実は私、作者の娘さんが小学校3年生(今はもう大学生)の時に担任を受け持ったのですが、お稽古事のコンクールに誘われて行った際、不謹慎ながら演技を見つつもギター談義に花を咲かせました。生まれも同じ昭和40年
作者は筋金入りのテレマニアです
【左6月増刊号・右8月増刊号】
8月増刊号の第2話はグレッチですが、それでも背景にフィルタートロンPUを搭載したカブロニータテレや、G&L版テレであるASATがさりげなく描かれています
「ギターショップ ロージー」、エレキギターを巡って次はどんなストーリーが展開されるのか、ぜひ読んでみてください