ピックアップを5個も搭載したんだから当たり前ですが、計13本のワイヤーを接続しないといけません。複雑ではあってもパッシブ回路なので難しいことは何もありませんが、線が込み入っててハンダ作業が難しいです ピンセットを使い、他のワイヤーに当たらないように慎重に作業を進めます。
【画像ではアウトプットからの2本はまだ取り付けていません】
やり始めて思ったのですが、自分はいいとしても、この楽器を購入した人が自分で弄る際にかなり困難を覚えるのは目に見えているので、せめてコントロールプレートと一体化した状態で修理や取り付けができるよう、キャビティーを開放式に変更しておきます。
【ぶち抜きました】
こうしておけば、通常のジャズベースのようにコントロールプレートごと上から取り付けできます
読者もご存知のように、私は電装系に様々なギミックを仕込むことが多いので、セレクター以外にスイッチPOTを多用します。これはボリュームやトーンのノブを引っ張る構造なので、ノブが緩いとPULLの際に抜けてしまいます。ストラトのようにデザイン上ノブを交換したくない場合もありますが、ジャズベの場合には国産サトーパーツがフェンダーUSAと同じ横ネジ式のノブを製造販売しています。
このような横ネジ式のノブは、取り付けるPOTが円柱形のソリッドシャフトであることを前提としていますが、国産や中国製エレキの場合は、ほぼ100%スリットシャフトのPOTを使っています。これに横ネジ式のノブを取り付ける場合には、スリットの割れ目にねじ込む方向からイモネジを締めるのが鉄則ですが、そうするとノブのポインターの向きを任意に決めることができない場合がほとんどです。
またテレキャスターなどの場合には、このイモネジの位置をポインター代わりにする人も多いでしょう。
その結果イモネジが二又になったシャフトの一方を押して回転が偏芯していたり、最悪折れてしまった物をよく見かけます そういったトラブルを未然に防ぐのはまったく難しいことではないので、以下のようなひと手間を加えてください。
これは私が「素材」として様々な用途に使っているアルミパネルですが、この1mm厚のものを幅5mmほどで細長くカットします。
これをシャフトのスリットの間に打ち込み、はみ出る部分はカット
これを必要な数だけやれば、もうどのような位置でノブを固定したとしても、シャフトを潰してしまうことはありません。もとに戻したい時にはマイナスドライバーでアルミ片を抜くだけです。
4つのノブのうち、1つ目(フロントvol)と3つ目(リアvol)のノブがスイッチPOTになっており、これをPULLすることでツインJタイプがハムバッカーになります。
それから前回悩んでいた件ですが、やはりせっかく奇抜な楽器を製作するわけですから、シングルコイルとして通常使うのは、フロントがネック側、リアがブリッジ側のコイルにしました
最後にブリッジですが、こっちにもアリア・プロⅡのブリッジを搭載しました。
こちらはおそらく90年代の物で、ほどよい経年感と充分な質量があります。
次回は完成品の画像と試奏リポートになります