東京に戻りましたが連日猛暑のため、昨年夏に工房へと改装した2階の書斎は50度を越える室温でエアコンもほとんど効きません。頑張ってはみるものの、30分と作業できない環境にあります
というわけで、かなり久しぶりになりますが「過去の製作品」カテゴリーへの投稿でお茶を濁します
(2016年製作)
【パッシブ化したのでバッテリーは使いません】
プレベのサウンドバリエーションを拡大するため、リアにジャズベ用のリアPUを増設したPJ仕様は早い時期から定番の改造として定着しました
これは確かに、リアに関する限りはジャズベに近いサウンドが得られる改造でしたが、言うまでもなくフロント側はそうではありません。
さらに言えば、プレベとジャズベのサウンドの違いは、そのネックによるところも大きいと言われており、ジャズベのタイトなサウンドは、そのスリムネックによるところが大きいとされています。
そういう分析もあって私は、プレベにジャズベのピックアップを載せるのではなく、ジャズベにプレベのピックアップを載せるという実験をすることにしました
単純な発想ですが、SQUIER製のジャズベの両ピックアップの間にプレベのスプリットコイルのカバーを載せてみると、前後1mmほどのクリアランスを残してピッタリ収まることが分かりました。
場所的にはピックガードの境界に位置するので、とりあえずピックガードレスにすることにし、ルーターでスプリットPU用のキャビティーを開けました。
3PU化に伴ってボリュームノブが1つ増えますが、この時使用したジャズベはSQUIERが短期間ラインナップに加えていたアクティブタイプでアウトプットがサイドジャック方式になっていたので、通常の4穴のコントロールプレートに3つのボリュームと1つのトーンコントロールを装備することができました。
通常のジャズベをベースにして作るなら、5穴プレートを使えばジャックの移動は必要ありません。
この時作ったものは、色をホワイトのレリックにし、ジャズベ用ピックアップはブラックカバーに、追加したスプリットコイルピックアップはホワイトカバーにして遠目にはノーマルに見えるようにしてみました。
このJPJ仕様は、ジャズベ本来の機能に影響なしに、限りなくプレベに近い音も出せるという意味で実用的です。その上、2つのJタイプと1つのPタイプのピックアップを自由にミックスできるので、これまでにないニュアンスのトーンを作り出すことができます。完成後の試奏はとても楽しめました
これを作った後になって、80年代末のFENDERからJPJ仕様のベースが出ていることを知りました。スチュアート・ハムのシグネイチャーモデルです
ただし、これはトラッドなプレベでもジャズベでもなく、本人のための完全なる専用設計で、スケールも違えば24フレットネックのアクティヴ仕様です。
ノーマルジャズベのJPJ改造は私の中では自信作だったのですが、出品してみると大した引き合いもなくスタート価格のまま格安で落札され、以降は製作していません
とはいえ、この仕様は本当に実用性に優れたカスタムだと思っているので、また作ろうかと思っています