弦を模したナイロン紐を張ってセンターを出したら、まずブリッジの位置を決定。

それから4つのピックアップのキャビティーの位置を決定します。

 

キャビティー加工が完了しました!!

・・・と、文字と画像だけで報告すると、料理番組のように瞬時に次のステップですが、言うまでもなく4つのPUのためのルーター加工は大変でした。騒音と粉塵、煙、掃除後も数日は残る焦げた臭いチュー

この時点ではトグルスイッチのザグリは後回しにしておきます。プレイする際にどの程度ジャマになるか未知数だったので、ピックアップの配置が完了してからにしようと思ったからです。それに、先にボディー側の穴を開けてしまうと、それにぴったり合うように透けて見えない黒いピックガードに穴を開けるのは難しいというのもありましたひらめき電球

 

【序論】で述べたように、本人の実物を取り上げ、詳細に分析したギター雑誌や記事はついに発見できませんでした。ネットで拾った数枚の画像が資料の全てです。勝手な想像ですが、実物に施された作業の荒さからしてプロの仕事とは思えず、ピックガードの下はノミとハンマーで広範囲にエグられてしまっているのではないかと想像します。トグルスイッチの穴もあるので、「弁当箱」と呼べるほど綺麗な長方形にもなってはいないはずです。

ビリー・シーンの「マイワイフ」も、若きビリー・シーンが自宅のリビングで、ノミとハンマーで大胆にザグったと言っており、その後木屑だらけになったリビングの後始末を、母親が必死で掃除していたと回想しています爆  笑

かく言う私自身も、中学・高校時代に自分でやった改造は、主に彫刻刀と切り出しナイフで実施しました。自分の手元にある道具が全てでしたから・・・滝汗

今は素人ながらいくらか経験も積み、道具も徐々に揃ってきたので、各ピックアップに合わせる形で最小限の切削量に抑えて仕上げましたニヤリ

 

それではいよいよ、壮大なピックガードの製作に取り掛かります。

ふつうはトレーシングペーパーを使うんでしょうが、私の場合は使い古しのクリアファイル(仕事柄たくさんあるんです)を使って型紙を製作します。無駄な抵抗ですが、できるだけ精確に写し取ってください。どのみち電動ノコで切り出すので余裕を持たさざるを得ないのですが、大雑把過ぎると調整で削る量が増えてものすごく苦労することになります。このサジ加減も経験を積んで学んでいくしかありません。

ボディー全体にまたがる大きなピックガード材を丸々1枚使い切ることになりますが、穴が多いので1つ開けるごとに一度鋸の刃を取り外しては付け直すという作業が必要で、切り出したあとに現物合わせをしながらヤスリで整形していく作業はさらに膨大でしたあせる

結局このピックガード製作は文字通りの丸一日仕事ですあせる

最後の完成画像を見れば分かるように、本物より数段美しく作ってあります。特に本物は、元々リアがワイドレンジPUだったことから、ブリッジからリアPU周辺にかけてブチ抜きになっています。その上ブリッジ位置の修正もあって、モーズ本人によると思われる切り口はガタガタですポーン

私は最初からディマジオ型搭載が前提なので、PUの穴とブリッジの穴は分離させました。それに私もブリッジ位置の修正を余儀なくされましたが、楕円形の穴を拡張するようになだらかに仕上げています。

ピックガードが完成したところでトグルスイッチの位置を確定し、その下のボディーにトグルスイッチ用の穴を開けます。ここはルーターではなく、35mmのホールビットで開ければ簡単ですグッ

これで切削作業は全て終わったので、この段階でボディー全体を生地着色し、プライマーを吹きました。

出来上がったピックガードをボディーの上にのせてみると、いっきに完成した姿を想像できるようになってきましたね音譜

次回は、この4つのピックアップと3つのスイッチからなる複雑な電気回路を、いかに分かり易く、また操作し易く配線するかに挑戦しますDASH!