いよいよ完成も近づいてきましたが、実は一度完成させたと思っていたアッセンブリーも、ここに来て右往左往しています
ハイラムの動画をいろいろと探していて、わりと晩年のものと思われる「GROOVE MUSIC」というインストラクションビデオを見つけました。至近距離から撮影されている上に画質も良いので細部が確認できます。
そこでは一番外側のセンタートーンが外され、ミニスイッチが装備されています(・・・と、そんときゃ思った)
「ありゃ~」と思って見ていましたが、一番最初に楽器について説明する中でもこのミニスイッチについては言及されませんでした
インタビュー形式で進行するインストラクションビデオなのですが、ハイラムの様子ときたら酒が入ってるのかラリってるのか、とにかく訛りがひどくて言ってることがよく聞き取れません
それによると、どうも真ん中のノブはセンターPU専用のボリュームになっているみたいです。・・・ということは、セレクターはハムバッカーだけを制御していて中央ではフロントとリアのミックスになっているのかと思いきや、そういうことでもないそうです。結局詳細は分かりませんでした
おそらくミニスイッチの正体は、ハムバッカーのコイルタップ用だろうと想像したのですが、私のレプリカはすでにタップ機能を備えたサーキットにしているので真似できません。とはいえ、オートマチックデュオサウンドシステムを採用したことにより、ちょうど外側のPOTは結線していない「お飾り」状態なので、これをスイッチに交換し、センターPUのフェイズスイッチとして使うことにしました。そうするとハーフトーンに切り替えた際アウト・オブ・フェイズとイン・フェイズを選択することができ、サンドバリエーションがさらに増えることになります。これで解決と思ってました
【レリック加工前にこのアッセンを載せてみました】
レリックせずにこの状態でもカッコいいんですけどね~
私はレリック加工があまり得意でない上に、苦労して塗ったボディーやネックを、さらに苦労を上積みして自分で傷つけていく作業はあまり気乗りしないものです
・・・で後日、また別の野外ライブの映像を見ていると、ミニスイッチだと思っていた外側のコントロールは、単にノブが外れてシャフトがむき出しになってるだけでした
道理でビデオの中でミニスイッチについて言及がなかったはずです
なんだよ~
と言いながら、せっかく付けたスイッチを取り外し(けど内容は変えません)、スイッチPOTにチェンジしました。これのポット部分は使用せず、スイッチ機能だけを活用して「PULLでフェイズアウト」という仕様に変更しました。
これでアッセンブリーは本当に完成とします
それと先のインストラクションビデオを見ていて確信しました。ハイラムのストラトはその塗装の様子から64年以降の木目が透けないイエローの下地塗装が施されているみたいです。それからピックガードも「グリーンガード」と言えるほども緑がかっていません。これは64年の途中から65年にかけてグリーンガードの上に透けない白の塩化ビニール板をラミネートした過渡期の4プライガードだからだと思われます。そのネジ位置も64年以降の仕様であることからボディーとセットでオリジナル。ネックだけがそれ以前のスラブボードに交換されたのでしょう
あとは先日一言だけ触れたナットの交換について丁寧に取り上げておきます。
①牛骨の素材をナットの溝幅まで薄く削ってセットしてみます。
②ヤスリを使っておおまかにナット形状まで削っていきます。
③弦を張って溝を切っていきます。1弦と6弦の溝を最初に切ります。
④ナットはかなり高い状態で溝を切るので、かなり深く見えますが、指板との距離に注意を払いながら慎重に切っていきます。その際、溝の底は緩いアールを描くように切るのがコツです。
⑤6本全ての溝を切ったら、上面をペーパーで削って低くしていきますが、320番から徐々に番数を上げ、最後は2000番あたりで仕上げれば、象牙のように少し透明がかった高級な質感が得られます。
これで完成