前回穴開けが終わったので、次は取付けネジ用の穴を開けますが、この位置がわずかでもズレると各ケースの角度がバラバラになり、ツマミの間隔も不揃いになって不恰好になります。実際中国製の多くはその状態で市場に出回っています。ここもたっぷり時間をかけて作業してください。私のとる方法は以下の通りです。
まずは一度ペグを装着し、ツマミの向きを揃えた上で軽くブッシュを締めてペグを固定します。
実際に開ける穴は2mmですが、いきなり2mmで開けるのではなく、まずステー部分のネジ穴に入るギリギリのサイズのビット(今回は2.5mm)を使い、ドリルを一瞬だけ当てて木部に1mm以下の穴を開けます。
ドリルの先端は尖っているので、次に小さいサイズのビットを当てた時、しっかりと穴の中央をとらえることができます。
次に2mmのビットに、ステーの厚みを加味してネジの長さより少し短い位置にマーカーを貼り、本穴を開けます。実は2mmというサイズは、ネジに対してかなりキツキツなサイズです。理由は後ほど述べます
本穴を開けたらすぐにネジを打つのではなく、ペグを一度外して本穴に微量のカーワックスを入れます。
メイプル材はとても硬い木材なので、小さなネジであってもかなりの力が必要になります。フェンダーJAPANなどの評判の良いメーカーであっても大量生産品は生産効率優先なので、ネジ穴にはかなり余裕を持たせてあり、結果10~20年経った楽器をリビルドする際にペグを取り付けてみると、半数以上がまったくネジが効いていないか、ネジ山をなめてしまって空回りする状態になっている場合がほとんどです。これは無数に取り扱ってきた経験から言えることです
私は、ネジ穴をきつめのサイズにし、ワックスでスムーズに入るようにしています。これには長期的展望に立ってネジがしっかり効くようにするとともにサビの発生を防ぐという意味もあります。
ワックスを入れたら再度ペグを取り付けてネジを締め、ペグの取付けは完成です。
表側に戻って・・・(ブラウンエッグに見えるように)トラスロッド調整口の内側を茶色に塗ります。
そして今回もフーラトンストラト同様1954レプリカなので3・4弦用のストリングガイド穴は埋めて1・2弦に丸ボタン型を取り付け、ネックの作業は全て完了です