回のネックは何かのギターに搭載されていたものではなく、ネックのみ新品状態で出品されていたものです。貼りメイプル指板につば出し22フレットという作りから中国製だと思いますが、一度別のギターに搭載したのでジョイントネジの穴は開け直しています。

これをトミー・ボーリンストラトに搭載するに当たり、全体の塗装を落とし、ナット裏の出っ張りを削り取ってなだらかに整形し、ネックエンドを曲面に加工しました。ほぼ丸一日あれば終わる作業量です。

 

            【1弦側は曲面用カンナを使います】

              【6弦側はノミを使って整形します】

                                 【仕上げはサンドペーパーで】

 

                   【つば出しがなければもっと簡単なんですけど・・・】

 

そこから今度はアンバーカラーに生地着色して数日乾燥させたらラッカーリフィニッシュし、フレットにのった塗装落としを兼ねてフレットの擦り合わせを実施。それが終わったら写真を見ながらフィンガーボードの塗装を一部落としがら汚れを再現していきます。これらの作業にはらに数日を要します。

 

 

トミーはパープルではあまりアームを使っていませんが、ソロアルバムなどでは積極的にアームを使っているようなので、トレモロブリッジにはアームのダウン量を増す目的でブロックの後ろ側をスラントさせてあるフェルナンデス製トレモロユニットを搭載し、ペグにはGOTOH製マグナムロックを装備しました。

 

電装系も妥協無く、ピックアップはアルニコ、コンデンサー、ポット、ジャック、スイッチは全て日本製、配線もクロスワイヤーで引いています。他にもスプリングハンガーの穴を開け直すなど、工作精度の低かった装備品については修正しています。

 

生地着色まで終わっていたボディーも塗装と研磨が完了し、あとはこれら全てを組み立てて最終的なセットアップを行います。もう一息で完成ですね音譜