2本目の製作記事で金属塗料の扱いの難しさを嘆いていましたが、この3本目を丸一年も放置したのもやはり塗装に苦しんだからです 塗っては木地に戻し、また塗っては木地に戻し、3回やって放り出してしまったのです
塗料自体も普通のカラーの2倍近くするのでコストも膨らみました
同じ物を作るにしても毎回バージョンアップを目指すので、次作は自分でハードルを高く設定することになります。
このモデルは特殊な方法で木材にメッキをするような形で色をつけているのですが、一番難しいのは、それでも木目が見えるフィニッシュになっていることです。それを再現したいのですが、美しく仕上げようと思うと徐々に塗膜が厚くなり木目が死んでしまいます。このさじ加減が難しかったのです
「塗装は先を急いだら負けが決定」が鉄則だと分かっているはずなのに、金属塗料はさらにそれが顕著なので、「1秒吹いたら負け」と悟るまでにとにかく時間がかかりました。他にも(大変危険ですが)スプレー缶を熱湯につけて加熱し、噴射圧を高めたり、作業は無風状態でボディーから40センチ以上離して吹く等、ノウハウを蓄積していってようやく金属塗料をものにするまでに4缶ほど使いました
【うまく画像に写せませんがちゃんと木目が浮き出ています】
せっかく習得した技術ですが、金属塗料を使うモデルはほとんどありません。他で思い浮かぶのは、数多くあるエリック・クラプトンモデルの中で一番評判が悪いと思われる金箔を貼ったゴールドリーフストラトくらいでしょうか
あんな悪趣味な楽器を欲しがるのは(黄金大好き)豊臣秀吉くらいでしょう
今回のサーキットはオリジナル通りの配線でハムバッカー接続のオプションは仕込んでいません。
ロバートソン本人は、この隣接させたセンターとリアのハーフトーン(並列)を多用しているようです。
ピックアップはストック品で何のギターについていた物か覚えていません。ポールピースの並びを見ると、「フラット」でも「スタッガード」でもないフェルナンデスに特徴的な「アーチドポールピース」になっています。
トレモロの設置も完了し、明日には全てのセットアップを終えるつもりです