すみません、まだ作業残ってました
完成したと思っていながら何か違和感があったのは、まだピックアップカバーを黒い物に交換していませんでした
普通であれば、ピックガードを外す必要はあるものの、10分もあれば完了できる作業です。ところが・・・これにまた半日かかってしまいました
なぜかというと、フロントとセンターに搭載した70年代のGRECOピックアップは、当時の10.5mmブリッジサドルに合わせた「ナローピッチ」で、当時のGRECOにはブラックパーツのストラトはラインナップされていなかったからです。
GRECOのカタログを年代順に見ていくと、ヴィンテージスタイルのスモールヘッドに加えてラージヘッドモデルもラインナップしてはいるものの、79年までは廉価版の貼りメイプル(厚貼り)か、本家FENDERでは70~71年前半のごく僅かな期間しか生産していなかった(復活)メイプルワンピースネック、すなわちラージヘッドでありながらヘッドにブラウンエッグがあり、4点留めネックジョイントになっているモデルしかありません。
私と同世代の読者であれば、シェクターアッセンブリーを装備したジェフ・ベックモデルを覚えていらっしゃると思いますが、アレはピックガードは黒ですが、ピックアップカバーは最初から装着せず、ボビン丸出し状態で売られていました。
「スーパーリアルシリーズ」を発表する80年のカタログで初めて、ブレットヘッドにブラックプラパーツを装備したSE450(78年型と表記)を発表しています。RAINBOWのリッチー・ブラックモアがいつからホワイトボディーに黒カバー&黒ノブのストラトを使い出したか知りませんが、それまでリッチーファンはトーカイのSS(シルバースター)などをベースにするしかなかった訳です。
・・・そういうわけで、この古いGRECOのナローピッチPU用の黒カバーは世の中に存在しないということです
リアPUだけは80年代のGRECO製なので大丈夫です。というか、SE450の物だったみたいで元々ブラックのカバーだった物を、私が70年代の物と組み合わせるために白パーツにしていただけです。黒カバーの内側にはピックアップのパーツナンバーと同じ「31276」がモールドされています。
ピックアップを3つとも別の物にチェンジしてしまうことは簡単です。しかし、今回コレを採用したのは本家1954~55年製に特有の「ショートG」ピックアップという理由だったからで、それを「売り」にして記事にしてしまった以上、今更引っ込める訳にもいきません。かといって「カバーを黒く塗る」なんて論外です
さてどうするか・・・
「無いものは造る!!」というのが物造り職人の真骨頂です。さっそく作ることにしました
まずはローインピーダンスピックアップ等に使われているカバードタイプのピックアップカバーを使います
私の製作品はヴィンテージスタイルが主流なので、部品取りなどから外したパーツが大量にストックされています。こんなカバードタイプのピックアップカバーは捨てていてもおかしくなかったのですが、ここにきてついに役立つ日が来ました
これとGRECOの白カバーを向かい合わせにテープで留めます。
GRECO側から白いスプレーを吹きつけ、黒カバーの表面にポールピースの跡を残します。
ポールピースの直系は5.5mmですが、いきなり5.5mmのドリルビットで穴を開けるときれいに並びません
まずは半田ごてで中央に穴を開け、次に確実にはみ出さない4mmのビットで穴を開けます。
バリがあると目印がよく見えないので、こまめにカッターでバリを取りながら作業を進めます。
4mmの穴は目印の中央を正確にはとらえていません。これを丸ヤスリで均等になるように広げていきます。
白い目印がほぼなくなったら、ここでようやく5.5mmのビットで内側をさらいます。
このカバードタイプは表面が艶消しだったので、表面を1000番で研磨して艶出しとエイジド加工を施します。
実際に装着してみると、一発できれいに収まりました
これがカバードタイプに穴を開けて加工したものだとは誰も気づかないはずです
それからこれも記事で取り上げ忘れていましたが、ナットも新調しています。
次回こそは・・・