フィンガーランプの平面形はできたので、次に3次元加工に入りますひらめき電球

安物の中には表面が完全にフラットな物もあるようですが、本来はフィンガーボードのアール・4本の弦の描く弧に沿う形でゆるやかな曲面に加工すべき物のようです。

私はこのオーダーを受けた時、漠然と「フィンガーボードのサンディングブロックを使えば簡単じゃんパーと思って安請け合いしました。しかしいざ作業にかかってみると、フィンガーランプの幅はネック幅よりもずっと広く、サンディングブロックでは用をなさないということが判明しましたチュー これは困ったことになりました。まずはフィンガーランプ用のサンディングブロックを作らないといけません。ホームセンターに直行です。折りしも政府と都知事の間では「ホームセンターに対する休業要請メラメラが争点になっており、慌ててしまいましたあせる

・・・で、100mm幅のホワイトウッド材と3mm厚のスチール板を購入。

 

まずはラディアスゲージでフィンガーボードのアールを計測します。

このベースには前オーナーによってフレットレス改造が施されているのですが、その際規格に合ったサンディングブロックで研磨したのではなく、フリーハンドで研磨されているようで、いまいちジャストフィットするものがありません。頂点がややフラット気味になっているように思います。

それであまり神経質にはならず、一番近いゲージに合わせてスチール板をけがき、その線に沿ってヤスリでアールをつけます。

切り口はわざとバリをそのままにし、これでホワイトウッドの板を削っていきますが、この道具だけで削るのは時間がかかり過ぎるので、まずは大雑把にくりぬきカンナで中央を深く削り、その後鉄板でならす感じです。

ひたすら忍耐を要する、まるで古代人が丸木舟を作っているような原始的な作業です滝汗

ホワイトウッドはかなり長めに切っておき、最後は両端を3cmずつ切り落とします。なぜかというと、こんなふうに往復運動によって切削作業をすると、均等に力を入れているつもりでも中央付近が一番深く、両端は浅くなるためです。実際に使えるのは中央部分だけということになります。

 

ネックに当ててみてピッタリ合うまで調整を繰り返します。完成したら両面テープで240番のペーパーを貼り付けてフィンガーランプのトップ側を研磨していきます。

おおまかに形ができてきたら320番、400番と番数を上げ、表面をツルツルに仕上げます。

この段階でベースに取り付けてみると、次なる問題にブチ当たりますポーン

 

FENDER系であればネックに仕込み角はついていないのでネック側からブリッジ側まで均等な厚さでいいのですが、このベースはボルトオンネックなのに仕込み角がついていて、ネック側はちょうど良い高さでも、ブリッジ側は全然高さが足りません。 再度ホームセンターに足を運び、3mm厚のアガチス板を買ってきました。このアガチスは、昔のYAMAHAなどがレスポール等に使っていた木材で、結構硬さもあります。これをフィンガーランプ底面に貼り、全体に傾斜加工をすることにしました。

【この上に雑誌を置き、3kgの鉄アレイ2個をのせてひと晩おきます】

ここで神経を遣ったのは、ランプ先端がネックエンドに合わせてスラントしていることです。ピックアップ側は均等な厚さに削りますが、ネック側は見た目で4弦側を薄く、1弦側を厚くしないと理論上弦との間隔が均等にならないことになります。平面上に置いた紙ヤスリの上を動かして削っていきますが、四隅で力の入れ具合を調整しながら削りました。

最後はボディー同様に生地着色してクリア塗装を吹き、研磨して完成ですクラッカー

 

数百円の木材で作ったハガキ大の部品ですが、これを計測し、切断し、整形し、貼り合わせ、研磨し、塗装し・・・格闘すること一週間DASH!

とにもかくにも初製作のフィンガーランプはこのようにして出来上がりました笑い泣き