前回の記事で言及したスティーブ・ハウのテレキャスター、「Shrapnel系」カテゴリーの2017年7月26日の記事、リッチー・コッツェンの青いテレキャスターを再現する企画の中にありました。レスポールと同じ位置にトグルスイッチを装着するという共通点から言及したもので、このとき「いずれ詳しくご紹介します」なんて書いてますが、すっかり忘れていたんですね
もっぱらGIBSONを手にすることが多い彼にしては珍しく、70年代から現在に至るまで愛用しているテレキャスターで、すでに述べたようにトグルスイッチが追加装備されているところが特徴です。
スティーブが若い頃の画像では(手で隠れていますが)オリジナルの3ウェイブリッジで、ボリュームとトーンのノブがゴールドのスピードノブになっています。
対して「おじいちゃん」のような風貌になった現在はブリッジが6ウェイブリッジに交換され、ノブはオリジナルの金属ノブに換えられています。私は1970年代の仕様を再現することにしました。
私がこれを作ったのは2017年で、ベースに使用したのはSQUIERのテレキャスター、元々ホワイトのものを使ったので塗装はそのままです。
まずはフロントハム改造のためにテンプレートを使用してキャビティーを拡張します。
次にピックガードの穴も拡張してハムバッカーを搭載します。
いったい、これまで何本のテレをフロントハム改造してきたことでしょうか
ブリッジは逆の作業となり、元が6ウェイブリッジだったものを3ウェイブリッジに換装します。以前、テレを50年代風に改造する記事で書きましたが、これは思いのほか手間のかかる作業です。
次に追加されたピックガードの型を作り、特徴的なトグルスイッチを再現します。
コッツェンのテレはレスポール同様ボディー裏側をザグって装着していますが、スティーブのテレはピックガードを追加しているところを見ると、おそらくボディー表側をザグってピックガードにマウントしているのでしょう。ここは現物の画像がないのですが、ほぼこうなっているだろうという想像で加工しています。
あとはノブをスピードノブに換装するだけですが、私には、用済みとなった元のセレクターが撤去されていない理由が分かりません。テレを弾く人であれ誰しも感じていることだと思いますが、テレのレバースイッチはボリュームと位置が近い上に倒れる方向もノブの方向なので、非常に操作性が悪いです。なのでボリュームの位置を少しだけトーン側に寄せたコントロールプレートも市販されていますし、古くはコントロールプレートを前後反転させる改造も昔から行われてきました。
この邪魔なはずのスイッチが放置されているのは、何か別のことに使用されているのではないか?という発想から私はレバースイッチをフロントハムのコイルタップスイッチとして再利用しています。あくまで私の想像による勝手な改造です。
コレももう3年経ってますから、白いテレが手に入ればまた作るかもしれません