昨日、デュッセンバーグのギターを2時間ほどかけて埼玉まで納品に行ってきました。気に入っていただけたようで、ひと仕事終えた気分です
しかし、手元にはまだまだ持ち込みリフを抱えています
ヘッドに「CL」とあったようですが謎のブランドです。作りはまんま国産ビザールのそれで、ラワン材の積層合板ボディーで、SGなのにボルトオンネックです。
オーダー内容は前回と同じようにボディー中央に太いラインを入れた2トーンカラーにリフィニッシュ。それから極太ネックをスリムにリシェイプ。
ビザール系は去年のDIAMONDベースで痛い目見たので気が進まなかったのですが、頼まれごとをなかなか断れない性格の私はついつい持ち帰ってきてしまいました
本来は全体をナチュラルフィニッシュにしてほしいというオーダーだったのですが、シースルーのチェリーレッドということは、染料系の塗料で木材自体を染めてある可能性が高いので、塗装を剥がしてみてから報告しますということで、第2案を用意してもらっていました。
結果、予想通りに赤が染み込んでいて下地調整程度の研磨では赤が抜けきれなかったので、第2案としてチェリーの中央にイエローのラインということになりました。2トーンが好きなオーナーさんならではの配色ですね
ただし、淡いイエローとシースルーレッドという組み合わせは、前回の「ナチュラル&黒ライン」ほど簡単ではありません。どちらも透け透けの色なので、どちらを上にするにしても重ね塗りはできません。ということは、ボディー中央と両サイドをまったく分離して塗装することになります。要するに2本の楽器を別々に塗装するのと同じということでしょうか・・・いえ、それ以上に厄介だと言えます。別々のベースを2本塗装するのであれば、マスキングという作業は必要ありませんが、2トーンとなると中塗りの段階で3回ほど実施するウェットサンディングの度にマスキングを外し、また片方ずつマスキングし直す必要があります
一般的な工房のリフィニッシュ料金表で、多色塗りの場合は「個別応談」となっている場合が多いのは、組み合わせる色によって作業工程が異なるためでしょう
自分のこれまでの多色塗りの経験は、ムスタングやジャズベースのエルボーコンター部にコンペティションラインを入れる程度だったので、ほぼ初めてとなるフィニッシュでしたが、なかなか上手く仕上がったと思います