例によって木部以外のパーツは全て総取っ換えするプロジェクトですが、各部の精度を高める加工もいろいろと実施してます。たとえばブリッジ位置ですが、ボディー材にはすでに弦通し穴やブリッジ取り付けビスの穴もあけてありましたが、それをそのまま使うとセンターズレを起こすというお粗末なキットなので、一度穴埋めをしてあらためてブリッジのセンター出しを実施しています。
それから裏通し用のブッシュですが、ヴィンテージは縁の部分もボディー表面から出ないように埋め込まれているので、穴の縁を2mmほど広げて同じように埋め込み式とします。
打ち込む時に注意すべきは、ブッシュを直接ハンマーで叩くのではなく、ラミン棒を介して打ち込むことです。直接叩くとボディーにも凹みを作ることになります(※経験住み)
主だった交換パーツですが、まずPUはFJ製のアルニコ仕様でコイルを黒いタコ糸で保護したリアル仕様でブリッジサドルはブラスをチョイス。ペグは前回書いたようにGOTOH製です。
【PU吊り下げネジもマイナス】
【ジャックプレートはむろんカップ型に変更】
それからこのモデルを手がける時に欠かせないのがビス類のマイナス化です。量産品となったブロードキャスターでも初期の製品はマイナスネジが使われており、ましてオリジナルが1940年代末のスネークヘッドもいわずもがなのマイナスネジです。実際に楽器をイジる側から言うと、マイナスネジへの変更は大きなグレードダウンです。当たり前ですが、ブリッジやネックジョイント部など、充分な力を加える必要のある部分でそれが叶わないからです。他のビルダーやリペアマンがどうなさっているか知りませんが、私の場合は以前記事にしたように木部にネジを入れる際、スムースに入れるとともにサビを予防するために少量のカーワックスを入れるので何とかなっています・・・
整備性を考えたら絶対プラスネジが楽だし、おまけにマイナスネジは(たくさん売れる物じゃないから仕方ないけど)大変高価です
例としてペグビスは8個入りで880円(※2セット必要なので1760円)普通のプラスネジなら12個入りが180円で買える
高価なのに使いづらい・・・何ひとついいことないけど、こういうレアモデルを欲しがる人は細部のスペックに喜びを覚えるのでマイナスネジにしてます
次回は完成した姿を公開します