このSQUIERジャズベース・・・塗装の艶はなくなり、金属パーツはくすみ、いたるところ埃がたまっているものの、フレットなどを見ると、実際に弾かれていた期間よりも放置されていた期間の方が長かったようで、レストアベースとしては持って来いの素材でした
塗装を剥がすと良質なアルダー3ピース材が現れました。この時期のSQUIERには純正のナチュラルは存在しません。
サンバーストの場合は黒く塗られるエッジ部分に必ずといっていいほど節がありますが、この個体の場合はエルボーコンター部分に気にならないくらいの小さな節がありました。
下地を確認したところで木目を生かしたナチュラル仕上げで行くことに決めました。もちろんネックもオールラッカーリフィニッシュで、いつも通りネック裏だけオイルフィニッシュ&汚し加工です。
【SQUIERとはいえ、一応ネックポケットを整えておきます】
【生地着色で木目を浮かび上がらせます】
それから60年代初期仕様で忘れてはいけないのが、ミュート機構跡とブリッジとリアPUの間にあるアース線、ヘッド裏側のストラップピン、それから1弦側にフィンガーレストを追加しておきます。ピックガードは当然べっ甲柄にチェンジです。
【全てのパーツをバラして研磨とグリスアップを施し、ネジ類も錆を落として研磨します】
それから、よほど詳しい方しか分からないと思いますが、オリジナルのスタックPOT仕様には、その配線の仕方に前期型と後期型があります。ARIAは前期型と同じワイヤーの取り回しにしていますが、私はこれを後期型と同じ取り回しに変更しました。私にはその違いによる変化がよく分かりませんが、レオ・フェンダーがそのように変更したのであればそれは「改善」であって「改悪」ではないはずで、理由があってのことだと思うからです(きちんと説明できなくてすみません)。
単なるレストアにとどまらず、アッセンブリーを全交換することで1960年スタイルJAZZ BASSとして生まれ変わります