コード溝を埋めたので、ピックアップキャビティーからコントロールキャビティーに直接向かうトンネルを掘る必要があります。設備が整っていると思われるBACCHUSの工場がなぜ最初からそうせず、オリジナルにはないテレキャスターのようなコード溝を彫っていたのでしょうかはてなマーク

 

57年モデルチェンジ後のプレベであれば不可能ですが、OPBはサイドジャック方式なので、ジャック穴からロングドリルを通すことでピックアップキャビティ-に直接アクセスできるようになります。

 

考えられることは、中国人労働者がミスなく穴を開けられるまでに熟練するのを待てないという判断ですひらめき電球  なぜなら、長さにして20cmほどのトンネルを手作業で正確に通すのは思ったほど簡単な作業ではありませんあせる

長ければ長くなるほど、手元で角度が1度でも狂うと遠い先では大きな誤差となり、目指す位置に到達できません。下手すると、ボディーの表面や裏面に突き出ることもあり得ますゲッソリ

過去記事で何度も実例を示しているように、わずか数cmのネックジョイントのネジやブリッジ固定のネジ、ストラップピンのネジでさえ垂直にドリルを立てられない中国人労働者が、この20cmのトンネルを正確に開けられるようになるまでには、大量の不合格廃棄品が発生するのは避けられないでしょう。そんなリスクをおかすよりは、確実に手でワイヤーを通すことができるようなコード溝をあらかじめボディーに切削しておけば、入りたての未熟な作業員でも不合格品を出さずにすみます。

かく言う私も過去に失敗の経験がありますが、3~4回でコツを習得できたと思います。

① 角度を読み取り易いようボディーを寝かせて立てた状態で

② ドリルをあまり強く押しつけず

③ 時間をかけて切削します

10秒や20秒で貫通させようと強く押しつけると、ビットの先が簡単に流れていきますあせる

 

一発で完璧な位置に貫通しましたグッ 

ピックアップのワイヤーを通すことができたら、次はコントロールアッセンブリーを組み立てます。

リフィニッシュだけのつもりでしたが、POTをミニサイズからフルサイズPOTに交換し、僅かな長さですがワイヤーをヴィンテージクロスワイヤーに換え、コンデンサーもセラミックコンデンサーに換えました。

 

ピックアップまでは換えません。OPB用PUはダンカン等からも出ていたと思うので、とことんやりたい人は落札後に自分でやってください。ピックアップの換装はハンダ作業だけで済むので誰にでも簡単にできると思います。

 

それからノブも交換します。元の物は見た目金属製ですが、内部はプラスチック製の軽い物なので、横ネジで固定するタイプの初期テレ用ドームノブにします。

実際、1950年代初頭という同じ時代のモデルであるOPBと初期テレは同じものを使っています。

 

              【右が元ノブで左側がヴィンテージスタイルのドームノブ】

 

こうして徐々にコストが膨らんでいきますチュー