11月末まであと少しですが、製作が記事に追いつきません
久しぶりの【過去の製作品】からネタを引っぱってきます
主として70~80年代の洋楽HR・HMの機材をテーマに作っている私ですが、ネタ切れの際には国内音楽雑誌を見て面白そうなネタを探します。
そこで2年ほど前に、たて続けに3本も製作することになった楽器を紹介します。
SUGIZOさんというギタリストの「D2」と呼ばれるストラトで、P-90を3発搭載しています。
【EDWARDSがリリースしているレプリカ】
これの「なんちゃってレプリカ」をフェルナンデスFUNCTIONシリーズの黒いストラトをベースに1本目を製作しました。フィニッシュは元々真っ黒なのでネック裏側の塗装を落としただけです。
この頃のFUNCTIONはヘビメタ人気でSSHやHSHがメインだったので、どちらにも対応するようにSSHの物にもHSHと共通のザグリボディーが使われています。
P-90×3発にするには、リア・フロントの四隅を拡張すると共にセンターも同サイズにする必要があります。
それからFUNCTIONシリーズはサイドジャックなので、舟形ジャックの追加加工も必要です。元のジャックも生かしておいて、2アウトプット方式にしています。
この1本目製作の時点では、センタートーンの位置にあるミニスイッチの機能がよく分かりませんでした。参考にした「GIGS」2017年3月号の記事には2つの異なった説明が載っています。1つは「リア選択時にフロントの音をミックスするもの」。もう1つは「ミドルピックアップのミックススイッチ」というものです。
同じ囲み記事の中なので、同じ人が書いたのだと思いますが…どっちやねん
まあオーダー品ではないので本物に忠実に作る必要もなく、自分の勝手な考えでON-OFF-ONの3ポジションスイッチにして、インフェイズ←OFF→アウト・オブ・フェイズを切り替えられるようにしました。レバースイッチの方はテレのようにフロントとリア、ミックスを選択する3ポジションセレクターにして、あとは好きなポジションでミドルをミックスすることができる仕組みです。
ただし、ボリュームは全てのピックアップに効くようにしたので、ミドルピックアップ単体の音は出せません(ミドルの回路を独立させて単体の音も出せるようにすることは簡単ですが、そうすると3つ全部鳴らした状態からボリュームを絞っても、センターPUの音が残ることになります)。
※後日この考えは間違いであったことが判明します。SUGIZOさんはセンター単体の音も必要としているそうです。
1本目の出品後、SUGZOさんに詳しい方から質問欄でミニスイッチの正しい仕様についてご教示いただきました。それによると、セレクタースイッチはテレキャスターのような3ポジションで、フロント・フロント+リア・リアの切り替えになっており、ミニスイッチをネック側に倒すと3ポジションセレクターはバイパスされてセンターピックアップが単体で起動するのだそうです。ミニスイッチをブリッジ側に倒しておけばセンターは鳴らず、3ポジションセレクターで選んだピックアップの音が出ます。後でよく調べたらESPのサイトでもちゃんとそのように説明されていました。これだと前作のようにフロント+センターやリア+センターといったハーフトーンや、3個全鳴り、フェイズアウトサウンドも出せませんが、SUGIZOさんのファンやコピーバンドの方はその方がいいでしょうね。
そこで2本目を製作しました。
今度もフェルナンデスFUNCTIONシリーズの黒いストラトをベースですが、ST-85という少しグレードの高いモデルです。上位機種だからか、サイドジャックも凝った造りになっていて、ボディーサイドに斜めに差し込むようになっています。何というか…流れるプールの噴き出し口みたいな構造です。これもそのまま生かして普通の舟形ジャックを増設しました。
このモデルは3ハムザグリだったので、3箇所とも四隅を少し削っただけです。ハムザグリだと縦方向には少し隙間が開きます。また、前作ではトレモロも元から付いていた2点留めのままにしましたが、今回は6点留めのシンクロユニットを搭載しました。サーキットも教えてもらった通りにSUGIZO仕様になっています。
2本目を出品したところで、質問欄から「FENDER JAPANのストラトをベースにレリック仕様で製作してほしい」という依頼を受けました。2ヶ月ほど探してようやくFUJIGEN製を入手し、3本目が完成
3Sザグリなので切削も大掛かりで、レリックということはオールラッカーリフィニッシュもあって丸1ヶ月以上かかりました
【今回はシングルからの切削なのでP-90ぴったりサイズです】
最近の私はストラトへの興味を失っていて…というか、テレのカスタムに夢中にっているので、このD2をテレキャスターバージョンで製作中です