電装系は最初に記した通り、フロントとリアのシリーズ接続回路を仕込みます。
また、セレクターはFENDER系のレバースイッチではなくトグルスイッチにしますが、配線方法に大きな違いはありません。むしろセンターをショートさせる必要がない分簡単だとも言えます。
それよりもテレのコントロールプレートは分厚い鉄板なので、ピックガードマウントのギターのようにホイホイ加工できません
まっさらな鉄板ならまだしも、レバーのスリットが開いているので、ドリルの刃が噛み込んで度々ドリルの回転がストップしてしまいます。
少しずつビットのサイズを大きくしていって、最終的には13mmまで広げます。
ちなみにスイッチ側を後方にしたリバース配置にします。
今回のPOTには500kΩのAカーブを選択しました。テレ愛好家の場合、ボリューム奏法をすることはなく、むしろ繊細なボリューム調整をする人の方が多いと思われるからです。
新しいボリュームPOTとスイッチPOTをプレートに取り付けたら、配線する前に、本体のアースを留める場所にハンダメッキをしておきます。
新しいPOTではありますが、念のため「POTチェッカー」で不具合がないか確認しておきます。新品であっても古い在庫品だとガリが出ているかもしれません。
それから配線していきます。
ワイヤーが無駄に長過ぎないように整理しながら配線すれば、配線ミスの防止にもなります。
ここまでやっておけば、あとはピックアップからのワイヤーとブリッジアース、ジャックへのワイヤーを留めるだけです。
この3mmほどの小さなキャパシターが、ボリュームを絞った際の高域劣化を防止してくれます。それからこの画像だと、先日ふれたアース線の取り回しがハッキリと分かりますね。端子を曲げずにワイヤーを伸ばしています。
市販品は国産であれ輸入品であれ、ほぼ例外なく、上の画像のように右側の端子を折り曲げてケースに直接ハンダづけしています。
この画像がすでに怪しいですが、端子とケースは接触しておらず、かろうじてハンダを介して繋がっているように見えます これが怖いのです
無理に曲げた端子は、当然元に戻ろうとする力を内包しているわけで、ハンダごての先端で押さえていても、手を離した瞬間からハンダが冷えて固まるまでの僅かな時間にハンダの中で端子が浮いている可能性が高いのです。なので昔私は一度つけた後に今度は割箸で押さえてもう一度溶かしていたものです。
電気回路においては伝導体同士が接触していることが基本中の基本で、ハンダはそれを固定する役目を果たしているに過ぎません。無鉛銀ハンダを使おうが、ケスター44を使おうが接続する物体自体が接触していないことには話になりません
もちろん安定物質である希少金属を含んだ高級ハンダは、長い目で見れば(接続部を固定しておくという意味において)耐久性が優れていますが、メンテナンスの際に気になったらハンダをやり直しておけばいいだけです。
それから、私が端子を曲げずに配線によるもう一つの理由は、私の場合はPOTにガリなどの不具合が生じた際、「即交換」とはせず、分解クリーニングをすることが多いので、ケースを外す際にここを外す必要があるからです。この部分を何度もつけたり外したりしていると、当然端子部分はすぐに折れてしまいます
配線を終えたら先日紹介した「テストベッド」に載せて機能チェックをしていきます。
これを使うことで、ギター本体に組み込む前に、計画した通り各部が正常に作動するかどうかが把握できます。
最後に塗装ですが、「日焼け」の具合はうまくいきました
うっかりP-90のケースの落とし込み加工だけやって、PU本体を収める部分の切削を忘れて塗装してしまっていました
それから今回は(ネックを取りつけたらまったく見えませんが)ネックジョイントプレートの日焼け跡も再現しています