オーダー品への注文で、初めてとなるサンバースト塗装の指定を受けたので、サンバーストの研究と試行を繰り返しています
FENDERのカスタムカラーについての考察は多くの書籍でなされていますが、スタンダードカラーであるサンバーストについての資料はあまりありません。
一般的には、黄→赤→黒ではなく、黄→黒の後で赤を吹くという手順も知っているつもりでしたが、ヴィンテージギター本のカラー層のすり減った箇所の分析では、実際にはそんな単純なものではなく、黄→黒→赤の後、再度修正の黒が吹かれている物が相当数にのぼることが指摘されています。その他にも細かいことが色々…(奥が深け~)
またこの「黒」も私は長いこと、黒の上から赤を吹くために、濃いブラウンに見えるものと思っていて、古い国産が黄→赤→茶の順で塗ってあるものを「勘違いしてら~」と知ったかぶりをしていたのですが、そうではないようで、実際にダークブラウンなのだそうです
ヴィンテージFENDERの写真集を見ると、サンバーストと言っても一様ではなく、黒の幅がものすごく広いものがあったり、逆に狭いものがあったり、明かに「失敗だろ」というものまであります。とにかくビルダーにとっては「サンバーストが吹ければ一人前」ということのようで、FENDERカスタムショップのマスタービルダー、マーク・ケンドリックは、ミュージックマン→G&Lとレオ設立の会社を経てFENDERで職を得る際、土曜日に「仕事はないか?」と訪ねたところ、「塗装部門なら空きがある、サンバーストを吹いてみてくれ」と言われ、その場でサンバーストを一発吹いたところ、「月曜から来てくれ」となったそうです
当時の彼は、日に130本ほど吹いていたそうで、素人が1~2本やってみるには少しハードルの高いチャレンジとなりましたが、とにかく自分自身のスキルアップのためにも引き受けました
まずは平面で手順と色味の確認です
ダンボールをテレの形に切り抜いたものを使います
市販の塗料には思ったような「ダークブラン」を見つけられません
【これだと黒まぜないとダメだな】
仕方なく苦労して缶スプレーのガスだけ抜いて缶を開けるという荒業に出ます
まずは2トーンの後で赤を吹いてみると・・・
ありゃりゃ 赤が強くてブラウンが消えます
じゃあ逆で、赤を先に吹いてブラウンを後回しにてみます
だいぶマシになりましたが、私のスプレーガンは噴霧面積の微調整が効かず、均一の幅に吹くのが難しい
エアブラシも試しましたが、こちらは量が少な過ぎて手持ちの道具では「帯に短し襷に長し」です
いや~、何ごとも修行ですわ