さて、SAB-100への三つ葉ペグの搭載ですが、オリジナルクルーソンのベースプレートが入るスペースはないので、前回同様やや小ぶりの中国製ペグを使うことになります。

前準備として4連ペグを2:2に変更する改造はすでに記事にしたので省略します。組み立てる前に分解したベースプレートを載せてみるとギリギリですね滝汗

               【ちょっとピンボケでしたね】

前回書いたように穴の位置はずっと内側に開けることになるので、元の穴は埋めますが、木材同士をしっかり接着するために、穴の内壁にのっかっているコンパウンドのカスと塗料を180番のペーパーで丁寧に削ぎお落とします。

穴を埋めたら表面はキレイに平滑にしないといけないので、ヘッド表面は全体に渡ってペーパーをかけることになります。

次に新しく開ける穴の位置を確定します。ご覧のように中心は元穴よりかなり内側に移動することになります。

センターは「垂直ドリルガイド」を使って3mmの穴を貫通させます。そしてまずは新しいペグのシャフト径と同じ14mmの穴を開けますが、ヘッドの表側と裏側双方からドリルを入れ、中央付近で貫通させます。

                    【こちらは表側から】

                    【こちらは裏側から】

 

貫通したらシャフトがスムーズに回るか確認します。

次に、表側にはワッシャーを打ち込むので、シャフト径14mmよりさらに広い18mmの穴をヘッド厚の半分くらいまで拡張します。

オリジナルのペグ穴よりはるかに大きな穴を開けることになります。

元穴を埋めた跡はワッシャーを取りつけても全部は隠れないので、その部分の塗装はタッチアップするしかありません。ロゴやインレイを消してしまってもいいのであればヘッド全体をリフィニッシュしますが、今回は手術痕が残ることになります。まだ塗装工程がありますが、あと少しで完成ですニコニコ

 

前回ほどの苦労はありませんが、とにかくGIBSON系は作業がやりにくくてイライラしますあせる

ネックが外れないので何をやるにしても巨大なボディーが邪魔になりますチュー 加えてアングルドヘッドなので、穴開け時に作業面を水平に保つのが大変です。クッションや毛布を総動員してボディーを支える台を調整します。こういう作業をしていていつも思うのが、レオ・フェンダーという人の偉大さですひらめき電球

ヴァイオリン属から進化したギターという楽器造りの伝統を全て無視し、ボルトとネジで分解・組み立てが可能。ストラトの場合は電装系も一括してピックガードマウントなので、GIBSONのように深い穴の底で配線したり、箱の中で狭いF穴を通して配線する苦労は一切ありません。製造効率の良さは、そのままメンテナンスやカスタムのし易さに直結しています。第一、机上に水平に置けるというだけでも有り難い音譜

70年前に完成した工業製品のデザインが、現在に至るまで改良の余地がないというのは本当に信じられませんねうーん