ボディーの切削を終えたら今度は塗装とレリック加工です。
ヴィンテージギターの写真集を見ると、最初期のブロードキャスターの塗膜が剥がれた部分を見ると、アンダーコートなしに木地に直接カラーコートが吹かれているように見えます。ブロードキャスターのフィニッシュは、後年のストラトキャスターではカスタムカラー扱いとなっている「ブロンド」がスタンダードフィニッシュですが、これは本来木目の透けるフィニッシュだったものが、カラーコートが経年焼けした結果「バタースコッチブロンド」と言われる黄土色に変色しているものです。木目を生かすためにアンダーコートは吹かれていないようですが、おそらくトップコートも吹かれていません。
テレ本ではなくストラト本の記事ですが、50年代ストラトのカスタムカラーは最初の頃トップコートが吹かれておらず、ギターケースの内張りやステージ衣装に色がうつるというクレームのために、後年になってクリアのトップコートが吹かれるようになったと書いてありました。ということはストラト誕生以前のテレには当然トップコートは吹かれていなかったと思われます
なので今回のテレも同様、アンダーコートもトップコートも吹かず、レリック加工のみ施しています。
次にピックガード製作。この形状は、スネークヘッドの物と同じ形状で、型紙を作ってから切り出し、ボディー外周に合わせてシェイプを修正していきます。
画像はネジ穴を開けていない段階ですが、かなり少ない3点で止めます。
それが終わったら今度はネックの作業にかかります。
今回使う22フレットネックは、安物に多い張りメイプルですが、最初期ブロードキャスターは「NOトラスロッドネック」なので、スカンクストライプがないのは好都合です。このフィンガーボードに小型のリューターを使って塗装剥がれを再現していきます。
ネック裏側はオイルフィニッシュで仕上げます。
ペグはクルーソンタイプに変更しようとしましたが、ヘッド6弦部分のカーブがなだらか過ぎでFキーのようにネジが対角線上に配置された安物の亀甲ペグにしか対応していなかったため、正面から見た時だけでもクルーソンに見えるように丸ボタンつまみの亀甲ぺグに変更しました。
(※やはり回転の硬さにムラがあって操作性が悪いので、東京に戻ったら丸ボタンつまみのロトマチックに再度変更してから出品しようと思います)