最近製作しているベースはこればっかりですが、再度OPBスタイルのカスタムベースを作ってみました。ベースにしたのはK-garageのプレシジョンベースです。

K-garageは中国製の中ではわりと丁寧に作られていて修正点もあまりないのでお気に入りのブランドですウインク

中国製ベースの多くはつば出し20フレットでネック長が1フレット分短くなっています。以上の理由で私はフォトジェニックやセルダー、バスカーズ等の安ベースはカスタムの素材としては使用しません。ただし、初期のフォトジェニックは通常の20フレットネックなので使うことがあります。

 

K-garageはLegend等と同じつば出しの21フレットネックなのでFENDERと同じネック長になります。何よりクローシャンヘッドの形状が最もオリジナルに近いので、OPBスタイルのテレキャスヘッドにリシェイプするには一番適しています。SQUIERだと小ぶり過ぎ、Legendはくびれ部分が深過ぎてテレキャスヘッドにするのは不可能ですチュー

     【鉛筆でOPBのラインを下書きします】

   【ラインに沿っておおまかにカットしていきます】

         【裏側はこんな感じ】

   【各種のヤスリを使って削り込んでいきます】

【裏側は、ヘッドからネックににかけての部分をなだらかに。メイプル材はとても硬いので、このリシェイプ作業は結構大変です】

 

今回のカスタムの肝はピックアップです。一見するとリップスティックタイプに見えますが、実際にはリップスティックではなく、テレキャスター用のフロントPUを2基シリーズ接続した物です。そう、これは「テレ用フロントPUの在庫を減らそうプロジェクト」の一環なのです爆  笑

プレベ用スプリットコイルの片方が、テレのフロントPUの横幅に近かったことから思いついたのですが、そのためにボディーのPUキャビティーを一部埋めるという面倒な仕事も必要となりましたあせる

プレベ用スプリットコイルPUはレオ・フェンダーの偉大な発明の1つで、秀逸なのは、低音弦用のコイルと高音弦用のコイルを分離し、それぞれに逆磁極のマグネットを用いることではハムバッキング接続させ、シングルコイルPUなのにハムバッカーというスタイルにデザインされている事です。

幸い中国製安ブランド楽器のピックアップは、アルニアコマグネット仕様ではなくてフェライトマグネット仕様なので、ピックアップの底面にくっついている永久磁石を一度取り外し、裏返して再接着すれば容易に逆磁極に変更できます。

ポールピース自体に着磁してあるアルニコタイプの物を逆磁極にするのはリスクが大きいです。何度かトライしたことがありますが、失敗するとピックアップが再起不能になります。アイロンでポールピースを温めてポッティングの蝋を軟らかくしてからペンチでゆっくり引っこ抜き、完全に冷めてから今度は逆さまに挿入します。過熱し過ぎただけでコイルは断線するし、挿入する時にも髪の毛より細いワイヤーを切ってしまうリスクがあります。とてもお奨めできる作業ではないです。

テレキャスター用ピックアップは単独で5.0kΩ台なので、2個での合成抵抗は10~11kΩになります。通常のプレベ用ピックアップの直流抵抗値よりも若干ハイアウトプットとなります。ピックアップそのものは、ギター用もベース用も同じ基本構造なので、ギター用を使ったからといって特定の周波数帯域を拾わないといった不具合はありません。違いは弦間ピッチへの対応とポールピースの数くらいです。テレ用1個では4本の弦の幅をカバーできませんが、2個使えば問題はありません。実際に音を出してみると、驚くほどクリアでパンチのある音に圧倒されることでしょうグー

ちなみにテレキャスターをカスタムする記事でも言及したことがありますが、テレのピックアップをシリーズ接続させる場合はCOLD線と共有になっているアース線を独立させる手直しを忘れないようにしてくださいDASH!

     【当然ピックガードはワンオフで製作】

ピックアップキャビティーとコントロールキャビティーを繋ぐ溝は、木目の方向を合わせた板から蓋を切り出し、トンネル仕様に変更します。それからプレートも自作します。

ネジ穴を開ける前に必ず透明なプラ板で型紙を製作し、ネジ穴の位置を決定します。

テキトーに開けていると、取りつける段階になって下に木材が無い!!チーンなんてことになります(経験あり・・・)

今回はボリュームとトーンに加えてミニスイッチを1つ装備するので、ジャックもOPB風にサイドジャック方式に改造します。

昨年末に製作開始し、もう完成しています。次回をお楽しみにウインク