元の構造がシンプルであることからバリエーションモデルが豊富なテレキャスターですが、それらにも満足することがない私は独自のテレカスタムを色々と製作してきました。そんな中、かつてFENDERカスタムショップから発売され、テレブレーションシリーズ等で限定生産されてきた「CABRONITAテレキャスター」という物がずっと気になっていました
ピックアップに、グレッチの「フィルタートロン」のような物を搭載したテレキャスターです。これが意外に好評だったようで、エンセナダ工場で量産されることでリーズナブルな価格で買えるようになったのです。リーズナブルとは言っても10万円ほどするので、私には「ちょっと試しに」買ってみようという値段ではないです。それに、誰もが買える既製品に満足できない自分もよく分かっています。早速お金をかけずに「なんちゃって」を作ってみることにしました
本物はフロントもリアもフィルタートロンですが、やはりテレらしさは残したいのでフロントPUだけ交換することにします。また、本物に搭載されているピックアップは「フィルタートロン」ではなく「Fideli’Tron」というのだそうですが、これは単品入手は難しそうなのでフィルタートロンを使います。
【シングル用のネジ穴最初にふさいでおけばよかったですね】
ブルームフィールドテレと平行で島村楽器バスカーズの安テレキャスターをベースに作ってみました。フロントが最初からハムザグりなので、ピックガードの加工だけで済みます
【これが元の姿 (分解後)】
塗装は当然全て剥がして木地まで戻した上でネック共々オールラッカーリフィニッシュしています。今回はオールド風のダフネブルーですが、トップコートのクリアが経年変化で色焼けして黄変することで下地のブルーと混ざり、若干緑色がかって見える様子を再現してみました
レリック加工で塗装を剥がした部分を見ていただければ、シーラー層を残したり、ポリ塗装を薄く削ってラッカーを吹いただけの手抜きリフィニッシュではないことが確認できます。画像でやっているように、カッターの刃で軽くこするだけで簡単に白いアンダーコートや木地が露出します。
サーキットは今回、再配線しただけでギミックは仕込んでおりません。私がいつも製作しているハム改造やミニハム改造、P-90改造とフィルタートロンとの違いを確認するための試作品なので、純粋な3ポジションセレクターのみです。
ネックもラッカーリフィニッシュで、ネック裏はオイルフィニッシュ&ペーパーがけです。
塗装剥がれだけではなく、黒ずみも再現
【なかなかいい雰囲気に仕上がりました】
音を出してみると、なるほど ハム改造やP-90改造ともまた違った魅力があります
【その他の公開画像】
https://yahoo.jp/box/1x3bMP