前回の続きです。
安物ギターにレッドスペシャル風のカスタムを施すに当たり、オリジナルの超ショートスケール&24フレット(3PU)の抱える問題につきあうことなく、無難かつスタンダードなストラトの規格をそのまま採用するところまで話を進めました
今日は電装系の話が中心ですが、ピックアップも「Tri-Sonic」ではなく、手持ちのストラト用ピックアップを使うことにしました。これでスケールを含め、実質的にストラトのサウンドを目指すことになります。ただし外見のデザインだけは似せるようにメッキカバーにしました。
この「DANCUN DESIGNED」ピックアップは、アルニコマグネット仕様であると同時にコイル全体を銅箔で被ってシールド線にアースを落とすという完璧なノイズ対策が施されています
ピックアップセレクターはレッドスペシャルの雰囲気を再現するため、レトロなスライドスイッチを使いました。本物のレッドスペシャルの配線は知りませんが、GRECOをはじめとする多くのコピーモデルは、ピックアップのON‐OFFとフェイズのIN-OUTの切り替えを別スイッチにして計6個も使っていますが、私の作品ではザグリスペースを最小限に止めると同時に見た目もシンプルにするため、ひとまわり大きい(スイッチクラフト製)ムスタング用3ポジションスライドスイッチを使って3個にまとめました
要するにON-OFF-フェイズリバースの3ポジションスイッチを各ピックアップに1つずつ装備するという、1980年前後の国産メーカーによるジェフベックモデルやヤマハのSCシリーズに使われたシステムと同じです。これによって13種類の組み合わせが可能となります
かなり面倒な配線ですが、カラフルなワイヤーを使って整理しながらハンダ作業を進めました。
ボディーとネックはポリ塗装を完全に落としてワインレッドでオールラッカーリフィニッシュしています。バインディングも施していないので、レッドスペシャルの廉価版という感じに仕上がっています
結局のところ、ボルトオンネックにストラトと同じような電装系をピックガードマウントで搭載しているので基本はストラトのサウンドです。ただしアームは装備していないのでハードテイルのストラトに近いサウンドになっています
安物ベースですが、オリジナルの面影はもう微塵もありません
ブライアンメイ風でありながら、個性の際立つギターに生まれ変わりました
このギターは、ヤフオクに出品するなり即落札されました。めでたしめでたしです
今もこのベースモデルがヤフオクに安く出ていますが、あまりにも大変な作業なので、もう手を出すのはやめておきます