私が中学生の時に最初に買ったベースは、GRECOのPB-600Nナチュラルでした 完全にルックスのみで選んだので、重量こそ軽い個体でしたが、私の小さな手では思うように弾きこなせませんでした。そんな折、高校に進学した頃、ARIA PROⅡから「カーディナルシリーズ」という初心者向けのギターとベースが発売されました。シンプルでお洒落なカラーとルックス。ベースのCSB-380はミディアムスケールが採用されていて、いかにも弾き易そうに見えました
当時は級友を集めたミニライブを頻繁に開催していたこともあり、どうしても欲しくなった私は、行きつけの楽器屋さんで何とツケで購入してしまったのです。色はシースルーのウォルナットカラーでした
当時、ディープ・パープルのR・グローバーのリッケンバッカーや、MSGのクリス・グレンのEXベースといった改造ベースに惹かれていた私は、この自分のCSBにもピックアップを増設しようと試み、ろくな工具もないのにノミを使って穴を掘り、一時は4ピックアップ仕様になっていました
大昔の話なので現物はおろか写真すら残ってはいないのですが、90年頃までは持っていて、その後知り合いの中学生か誰かにあげたと思います
男というものは、40を越えると過去を振り返る時間が長くなり、中学高校の頃聴いていた音楽や、使っていた楽器を取り戻そうという衝動に駆られます 私の場合はCDや楽器だけですが、小学生の頃(70年代)持っていたオモチャがとんでもない値段になっていたり、レア過ぎる物は復刻版が再発されたりするのはそういう大人が沢山いて充分に市場が成立するためです
ヤフオクで買いましたよ CSB-380
相場を調べてみると、古くて数が多いので程度はピンキリですが、状態の良い物がヤフオクで10000~15000円で買えます。ジャンクは数千円くらい
あの頃から30年以上が経ち、道具もスキルも整って大抵の加工ができるようになった今、「丁寧に」カスタムしてあげることにしました
エントリーモデルとはいえ、マツモクの丁寧な仕事で今でも通用するベースだと思っています。特にネックは素晴らしく、品質のバラつきや個体差もほとんどありません
これを、もう少し多彩なサウンドバリエーションを得られるように2PU化しようと思います。実はCSBには純正の2PUバージョンもあるのですが(CSBデラックス)、ARIA製ベースの全てのモデルに共通するレイアウトで、2PUバージョンは、1PUモデルのPUを丁度挟むような位置に搭載しています。要するに2PUモデルには1PUモデルの音は出せず、同様に1PUモデルには2PUモデルの音は出せないということです。これはある意味当然と考えられ、2PUモデルに1PUモデルのサウンドが出せるのであれば、1PUモデルの存在意義がなくなってしまうでしょう
【これがSCBデラックスですが、PUをTOKAI製に載せ換えました】
しかし、両方を弾き比べてみると、サウンドの面でも親指を置くポジショニングの面でも、1PUモデルのPU位置がベストだと誰もが気づきます。したがってこの2PUバージョンは、CSBシリーズはおろか上位機種のRSBシリーズも含め、1PU仕様ほど売れませんでした
そこで私は1PUモデルをベースにして、これにリアPUを増設することにしました。その際、わずかなスペースに搭載できるようにジャズベース用のPUを選択しました。ありがたいことに、コントロールキャビティーの形は三角形で、もう1つPOTを載せるスペースがあります
【色もレイクプラシッドブルー(レリック)に塗り替えました】
1本目の作品はブランド忘れましたがカバードタイプのPUを搭載し、ジャズベのような2vol・1toneに、2本目は1vol・1tone・1トグルスイッチとしました。
【こっちは純正カラーのシースルーブルーのまま】
このリアピックアップにより、70年代ジャズベースのリアPUに似たソロ向きのトレブリーでごきげんなサウンドが出せるようになりました
今は2本とも売却してしまいましたが、世の中CSB-380の中古品は無数にあるので、またいつか作ろうと思います