謎のプロジェクトがようやくの完成を見ました
一応作業の続きから紹介すると、ボディーは全体を空色に塗った上で、詳細がよく分からない絵を描きます。どこか分かりませんが、上空から見た島のように見えます。
【絵を描くための塗料ではないので細かい表現はできません】
長年小学校の教師をしていながらまるで低学年の子どものような画力で恐縮ですが、言い訳をさせていただくと、塗料が全く浸み込まない素材の上に、これまたベタ塗りすることを前提で調合されたエナメル塗料を筆書きで塗るというのは、水彩画のようにはいかないのです
塗っているうちに気づいたのですが、これはおそらく絵ではなく、塗膜の剥がれでできた「景色」だったのではないか
うっすらと雲のように見える部分は、青が擦れて露出したホワイトのアンダーコートで、茶色っぽい部分は、さらに擦れて木地が露出した部分ではないのか
実態はよく分からないけど、自分なりの解釈で製作した1台です。
完成品の画像がこれですが、ご存知の方がどれほどいらっしゃることか・・・
1991年発売、リッチー・コッツェンの『Electric Joy』のジャケットで本人が手にしているブルーテレです。
ちょうど現在発売中の「YOUNG GUITAR」誌が「THE速弾き」という特集を組んでいて、マイク・ヴァーニーのレーベル:シュラプネルレコードについてもタップリ解説されていますので詳細はそちらに譲りますが、リッチー本人の音楽的志向には合わなかったものの、3枚のアルバム製作の契約があったようで、マイクの意向に沿う形でテクニカル志向の2枚を出した後、さっさと契約を終了させるために作ったのがこの『Electric Joy』だったようです。
インスト中心のギターアルバムではありますが、その後の方向性にグッと近づいたファンクなプレイを聴かせてくれます
彼は後のインタビューで、実はこのアルバムの録音時にはこのブルーテレは完成しておらず、実際にはストラトと通常のテレ、IBANEZ(RG)を使ったと言っています。それどころか、IBANEZにこのブルーテレを作ってもらった直後、スターフィールドというメーカーからエンドース契約を持ちかけられ、POISONのレコーディングではそれを使ったそうです。そしてスターフィールドとの関係はそれっきりで終わり、次にUSAフェンダーカスタムショップのテレとストラトを経て、現在至るFENDERジャパンのシグネイチャーモデルとなったようです。
・・・という訳で、このアルバムジャケットのブルーテレは、本人が「気に入った」と言っているにもかかわらず、結局のところ、どのアルバムでもLIVEでも出番は無かったということのようです
リアPUは後のFJ製シグネチャー同様にツインブレードハムバッカー
フロントには、一見ストラト用に見えて、テレのリアPUと同じようにボトムに金属プレートが装着されたレア仕様で直流抵抗値も6.21kΩのややHOT気味の物を選択しました
速弾きプレーヤーにのめり込んでいた当時の私には、『Electric Joy』を聴く度に、私の頭の中ではリッチーはこのブルーテレを弾きまくっており、『Electric Joy』のサウンド=ブルーテレのサウンドとなってしまっているのです
【ピックアップセレクターの移設が一番の大仕事でした】
こういった「アルバムジャケット」のもたらす印象・影響力は大きく、J・ベックの『BLOW BY BLOW』も、全てがオックスブラッドレスポールで弾かれていると誤解した人も多いのではないでしょうか
「絵」があまり上手にできなかったので、モチベーションが下がって塗装も雑になってしまいましたが、私の中では、速弾きギタリストにゾッコンだった若き時代の象徴的な1本なので、なんとかして再現してみたかった思い出のギターです
※後ほどヤフオクに出品します。
【追加の公開画像】
【去勢手術のために捕獲した野良ちゃんです】