仕事で群馬県にキャンプに行っていたので少し間が空きましたが、「謎のプロジェクト」は再開しています。その画像も含めて今日は、以前に紹介した自作ツールを追加しておきますひらめき電球

 

ネックポケットの調整や最終仕上げに使う道具ですが、FENDERカスタムショップのマスタービルダーが使っているのは市販の道具なのでしょうか? 私は見つけられなかったので簡単な物を自作しましたレンチ

    【故人となったJ・イングリッシュの作業風景】

 

名づけるとすれば『ネックポケットサンダー』でしょうか目

 

私の場合は、ホームセンターで2030円で購入した端材を45°の角度で切断し、両面テープでサンドペーパーを貼り付けただけの実に安価な道具です。目の粗さはボディーの材質によって多少の変更はありますが、おおむね切削用に120番、仕上げ用に320番あたりをよく使います。

PHOTOGENICなどの中国製は、お話にならないくらい雑な仕上げになっていることが多いので、このツールの出番は非常に多いです。中国製であってもSQUIERLEGENDあたりは比較的丁寧に作られており、調整の必要がない場合もありますウインク

 

また、このネックポケットの調整は、単にジョイント部分の仕上げだけではなく、意図的にネックポケットの深さを掘り下げる場合にも実施することがあります。

      【まずはノミで大雑把に切削しておきます】

【ノギスで計測しながら所定の深さまで粗目で削っていきます】

 

1950年代のメイプルワンピースネック時代のFENDER製品は、ネックポケットの深さが浅いこととネック自体の太さ(厚み)があるために、フィンガーボードの高さはボディー表面から大きく飛び出しています。対して1960年代のローズ指板の時代に入るとネックポケットは深くなり、ネックも薄くなるのでフィンガーボードがボディー表面に飛び出る部分はかなり低くなります。これはいわゆる「弦高」とは関係ないのですが、ブリッジサドルを低くセッティングすることになるので感覚的に弦高が低く感じ、弾き易くなるような感じがします。

【上が50年代、下が60年代のストラト、3mmは大きな違いですひらめき電球

こういったあたりも60年代ストラトの人気の理由かもしれません。

 

私の場合は、以前「なんちゃってJ・ベック」のエスクワイアの記事で紹介した「隠しハムバッカー」と弦の距離を近づけるためにネックポケットを掘り下げる加工を施しましたし、ベーシストの場合、スラップ奏法におけるボディー部分での弦高は死活問題なので、この部分での微調整はピックガードの厚みを工夫することで対処しているプレイヤーが多いようですキョロキョロ

 

私の場合、ボディー表面に追加のプレートを貼り付けるような無粋な方法は取らず、ネックポケットを掘り下げることで弦高を下げ、ルックスに大きな変更が生じないようにしています。すでに出品して人手に渡っていますが、バッカスのジャスベースをスラップ専用機に改修するにあたり、この方法を用いました。

 

今回の「謎のプロジェクト」では、ピックガードレスのテレキャスターでなおかつツバ出し22フレットネックなので、このツバとボディーの間が空き過ぎると気持ち悪いですよね・・・ゲロー

それで、この部分の間隔を(実際には装着しない)ピックガード1枚がちょうど入るサイズになるようにポケットを掘り下げました(上のベースも同じです)。

 

振動の伝達で成り立つ楽器ですから接触面積は大きい方が好ましいとは思いますが、ネックポケットの工作精度を上げることでどの程度サウンドに影響が出るのかは、ここで私がウンチクを述べるよりも、ご自身で試されることをお奨めいたしますパー