「ツール」という新しいカテゴリーを設けましたひらめき電球

素人なので沢山あるわけではありませんが、私が普段使っている便利な道具をいろいろと紹介してみようと思います。あるいは市販ツールだけではなく、自作したツールもここで紹介していこうと思います。

 

私がカスタムの素材にする楽器の多くは元が中古やジャンク品なので、手入れされないまま長期間放置された物がほとんどで、完全に分解してきれいに清掃するだけでも数日かかる事もざらです。レストアの過程でサビや腐食が酷い部品は捨ててしまうこともありますが、私の思いとしては、単に自分がカスタムを楽しみたいというだけではなく、オーナーの愛情を失ってその存在さえ忘れ去られ、湿気の多い押入れの中で長期間放置された結果、劣化が進んでしまった可哀想な楽器たちを、再び音楽活動の最前線に送り出してあげたい。そんな気持ちで作業をしているので、使える物なら極力オリジナル部品を再生するように努めています。7080年代のGRECOTOKAIFERNANDESARIA PROⅡ、YAMAHAといった国産オールドの場合は特にそうです。

 

前置きが長くなりましたが、このブログの最初の方の記事で、ボリュームやトーンのPOTを分解してクリーニングする過程を取り上げました。このPOTという部品は、長期間放置されるとほぼ確実にガリノイズというトラブルを起こします。原因は端子の接点部分の金属表面が汚れや酸化で接触不良を起こすためですが、放置された訳ではなく使用頻度が高い楽器の場合にも、今度は接点の磨耗が原因でトラブルを起こすこともあります。この場合はクリーニングでは解決しないので交換することになりますが、せいぜい500800円くらいの部品なので、FENDERGIBSONのヴィンテージでもない限り、大半のリペアマンはトラブルの原因にかかわらず即交換ということが多いようですチュー

 

作業に入る前にフィンガーボードの汚れやフレットの減り具合を見ればどの程度使い込まれた楽器か見分けがつきますが、手間のかかるクリーニング作業をした挙句に使えなかったという事態は避けたいところです。これまで、分解 ⇒ クリーニング ⇒ 再組み立てまで終え、張り切って音出ししてみると、結局POTが死んでた・・・チーンなんてことが何度もありましたむかっ

 

自分でイジる人は分かると思いますが、POTには多くの配線がつながっており、特にボリュームPOTは、向かって右側の1番端子が、ペンチで引っ張り出されてPOTのケースに直接ハンダづけされている場合がほとんどです。

【PUからのアース、ブリッジからのアース、POT間のアースの3本】

 

クリーニング作業ではケースを外すため、配線だけではなくこのハンダも除去しなければなりません。とにかく手間がかかるんですあせる

 

せめてギター本体に組み込まなくても、POTの洗浄が終わった段階で機能が回復したかどうか簡単にチェックできればいいなぁ、と思ってこのツールを製作しました。名づけるとすれば『POTチェッカー』でしょうか?? 

類似の市販品はないと思います(多分)

 

原理はとてもシンプルで、エレキギターのPOTを除くエレクトロニクス部分だけを抜き出し、プラスチックのケースの中に再現しただけの物です。そしてPOTにつながる部分の前後からワニ口クリップを取り出してあるので、これをPOTHOT端子とCOLD端子に接続し、アンプにつなげれば簡単にPOTの機能をチェックできるという仕組みですひらめき電球

 

250kΩPOT500kΩPOTの両方をチェックできるように、ハムバッカーとシングルコイルピックアップを1つずつ搭載し、それをトグルスイッチで選択できるようになっています。

 

私の製作するカスタムは、フェイズスイッチ、タップスイッチ、シリーズスイッチといったギミックを盛り込む場合がほとんどで、ベースの場合にはACTIVE化も多く配線が複雑なのでサーキット部分の配線作業にもかなりな時間を要します。やっとセットアップが完了した段階で音が出ないとなると、トラブルの原因を探るだけでもまた丸一日かかったりするので、POTごときのトラブルで再び分解&再組み立てなんてやってられませんにやり

 

これを作ってからは死んだPOTをすぐに見つけられるので、作業時間にも無駄がなくなりました。自作カスタムをやられる方なら同じ経験をされた人も多いでしょう。特許など取っておりませんのでぜひ真似してみてください。けっこう便利ですよニコニコレンチ

 

※せっかく「ツール」カテゴリーを設置したので、以前記事にした「スタッドプーラー」なども、後日ここに移動しておこうと思いますパー