「過去の製作品」シリーズ、ギターばかり並べていたので、ベースも少し紹介します。私のカスタムライフでギターとベースの割合は、ほぼ半々なんです
私が高校生の時に、国内初の本格的ヘビメタバンドとしてデビューしたLOUDNESS。当時のバンド仲間はみな夢中になりましたし、最初の全国ツアーでは福岡まで来てくれたので、当然観に行きました。その時買ったロゴ入りの赤いタオルはいまだに大切に持っています
当時の私はバンドでベースを担当していたので、難しいベースラインを懸命にコピーをした日々を思い出します。あれから37年ほど経ちオッサンになりましたが、当のLOUDNESS自身も現役バリバリですし、そんなに昔の話という思いはありません
外国のヘビメタバンドの多くは、時代によって音楽性やプレイスタイルに結構小さくない変化が生じるものですが、LOUDNESSの歳をとっても一貫してブレないスタイルには畏敬の念さえ覚えます。特にオリジナルメンバーの樋口を失ったあとも、80年代のナンバーを随所に挿入したセットリストや、名曲のセルフカバー等、共に歳をとってきたファン層へのサービスを大切にしている点は好感が持てます
しかし・・・私にはひとつだけ不満もあります。ギタリストの高崎晃がライブで古びた赤いランダムスター(※しかもローズ指板)を持ち出し、オールドファンの喝采を浴びているのに対し、ベースの山下昌良は、オールドファンが何の愛着も感じていない(ヘビメタ用に見えない)ヴィジェのベースを使い続けていることです
山下昌良よ、ファンを大事に思うならコレ持ってこんかい!!
数年前に製作したので元が何だったか忘れました。とにかく高校生の私が雑誌で初めて見てブッ飛んだベースです
しかし、当時の私はすでに改造マニアだったとはいえ、コレを忠実に再現するだけの技術も能力も道具もありませんでした
1本目はカラーリングから何から忠実に作りましたが、2本目はメイプルネックのYAMAHA-PB400Mを使い、色々と仕様変更の上、真っ赤に塗ってみました。
コントロールは山下氏のインタヴューによると、最初に製作されたシルバーのプロトタイプにはトーンコントロールがあったというので、3ボリューム1トーンにしてあります。当時の写真を見るとミニスイッチが付いていますが、これはマスターボリュームがないために、一度に音量を切るためのON-OFFのカットスイッチと判断しました(※このプロトを元に新規製作された黒と白の2号機・3号機は1マスター+3ボリュームで、トーンは無しとのことです)。
このモデルを製作する上で重要なポイントは、ザグリ部分に余分なスペースができないよう綿密に計測し、タイトに仕上げることです。元のPタイプのピックアップの穴を覆う形でザグリ部分を広げてしまうと、Pタイプをスラント配置した時に大きな隙間が生じてしまい格好悪くなります。実際この部分が広すぎてスカスカな個人製作品をよく見かけます。私の製作品は元穴を一部木材で埋めてからあらためてルーター加工しているので、本物同様ピックアップがキャビティー側面と接触する最小限の加工になっています。
【Pタイプの収まる部分の両サイドが一部埋めてあります】
ESP製ブリッジはすでに生産していないので、ESPが最近復刻した山下モデル(黒)でさえデザインの全く異なるHIPSHOTのブリッジを搭載しています。
けれども私が山下に使ってほしいのは、白や黒の決定版ではなく、銀色のプロトタイプなんですよね~
個人製作品やオーダー品と思われるプロトタイプをたまに見かけますが、白黒決定版の仕様との混同が見られます。例えば、オリジナルはリアピックアップの搭載位置を試行錯誤したようで、前後に移動したようにキャビティーが広がっているのですが、それが再現されていなかったり、コントロールパネルにはミニスイッチがあるはずなのにそれがなかったり(白黒と同じサーキットにしているのか?)。オリジナルは3・4弦にもストリングガイドが追加されているのにそれがなかったり、または白黒のようにバータイプが付いていたり・・・
【ブリッジ等私の物に似ていますが、リアPU移動の痕跡やスイッチはなし】
【ブリッジは本物ですが、PUがフロントに寄りすぎか】
赤い方は自由製作品なので、私も丸型ストリングガイドとバータイプの併用にしてみました。
ワイヤリングも1マスター+3ボリュームにして、スイッチはPタイプのシリーズパラレルにしたような気がしますが、明確には覚えていません。
コントロールプレートは金属板で製作し、ブリッジはデザインのよく似たWASHBURN製を搭載しています。
実は私、ESPのオリジナルブリッジを最近入手しましたので、次回コレを作る時には、贅沢ですが本物のブリッジを使おうと思っています