【PHOTOGENICレスポールJrのカスタマイズ②】
さて今回のシングルカッタウェイJrは、このギターの抱える問題を、異なる方法で解決しますが、元々P-901発のシンプルなモデルなので、最近ハマっている米国の工房RS GUITAR WORKSさん風にカスタマイズしてみようと思います
【いきなり塗装剥がしは完了の状態から紹介いたします】
元色は黒ですが、これをTVイエローにしました。TVイエローは、テレの色焼けしたバタースコッチブロンドに通ずるものがありますし、RS GUITAR WORKSさんは、フライングⅤやファイヤーバードといったGIBSON系ギターのブリッジやリア周りをテレタイプにするカスタムを多くリリースされています。今回はこれに倣ってテレギブ用のショートブリッジを用います。テレギブ用ショートブリッジは、これだけで今回の本体価格に限りなく近いですが、いかしたギターにするためには仕方ありません。これをトップローデヴィング対応型に加工して搭載しました
RS GUITAR WORKSさんの「WORKHORSE」というモデルは、テレ(FENDER)にP-90(GIBSON)搭載という組み合わせですが、今回はその逆で、LP・Jrにテレブリッジ搭載です。GIBSONにFENDERパーツ(あるいはその逆)というのは、より「アメリカ」を感じさせるカスタムですよね
GIBSON系ギターのブリッジをFENDERパーツにする場合、ネックの仕込み角を浅く変更する必要がありますが、なにせPHOTOGENICはボルトオンネックなので、この辺りも容易に調整可能です。仕込み角が浅くなって弦高が低くなった分、ドッグイヤーが干渉するので、PU全体を落とし込み加工することでピックアップの高さ調整も可能になっています。
【ピックアップは斜めに傾けるスラントマウントにアレンジしました】
ついでにフロントピックアップを増設しようかと思いましたが、このモデルはネックジョイント部のテノンがピックガードの下まで伸びており、ここを削ってしまうとネックの強度がガタ落ちになるので断念しました
塗装はボディー、ネックともにオールラッカーリフィニッシュで、ボディーにはピックガードを外した日焼けの跡を再現し、併せてウェザーチェックも表現しています。
続いてネック周辺のカスタマイズですが、ヘッド表面にはウェザーチェック、ネック裏側はプレイによって塗装が剥げた感じにしました。
そして中央の切れ込みのないノッペリしたヘッドに切れ込みを入れました。これがないとやっぱり変ですからね
また、せっかくブリッジを交換したので、ペグもチープな物を取り外し、ロトマチック(GOLD)に交換しました。さらには黒いチープなプラスチック製ナットも、牛骨削り出しで作り直しています。
チープなギターに「これでもか!」と言わんばかりに手を入れてみました。元の姿とは全く異なる仕上がりになりましたが、そのサウンドは、まさにアメリカを思わせるドライなサウンドで、リア一発ながらP-90による中域の豊かなサウンドが特徴です。重量は2970gと軽量でシンプル。演奏中あまり細かい操作ができないサイドギター兼ボーカリストにお奨めします
【公開画像】