グッド・ジョブ媚薬8 黙示禄107 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「わわわ・・・」
男は右手でナイフを持ち左手で股間を抑えた瞬間
亮は体を回転させ回し蹴りを顎にヒットさせた。
男は後ろの個室に飛ばされ便器に座り込んだ。
「人のオシッコを邪魔しやがって、手がびしょびしょだ」
亮は男の顔を右手で思い切りビンタして
男の服で手を拭いた。
「亮!どうしたの?」
一恵が男子トイレに飛び込んで来た。
「ああ、丁度良かった。僕のスーツとワイシャツを買ってきて
 くれますか?スーツの青○がフォーラムを出てすぐにあります」
「はい・・・亮それ出ているわよ」
一恵は恥ずかしそうに亮の股間を指さした。

「ああ、ごめんごめん」
亮は慌ててチン○ンをしまってチャックを上げた。
「怪我は?」
「ちょっと脇腹をね・・・」
亮は切れたスーツの上着を上げると
ワイシャツが赤く血で染まっていた。
「どうして炭素繊維ウエアを着ていなかったんですか?」
一恵は怒るように言った。
「だってあれは黒だからワイシャツの下には着られない」
「分かりました。すぐに買ってきます」
一恵は男子トイレから走って出てきた。
「待ってください一恵さん。ついでにパンツも買って来てください」
「うふ、濡れちゃった」
一恵は早足で男子トイレから出て行った。

「仁木さん、ちょっとトイレまで来てくれませんか」
亮が電話を掛けると仁木と三雲が飛んできた。
「亮さん何か有ったんですか?」
「あいつが後ろから僕を狙った」
仁木は亮の答えにため息をついた。
「済みません、この男警察に突き出してください」
「分かりました」
三雲は男の手首を結束バンドで後ろ手に結んだ。
「亮!大丈夫」
玲奈が走って来た。
「脇腹を5mmほど切られました」
亮はシャツを上げ右脇腹を見せた。

玲奈はタオルで傷口を抑え
出血を抑えるとバックから20×10cmの絆創膏を取り出した。
「これでいいの?」
「はい、卵の内皮と同じ成分のメチオニンが塗布してありますから
 傷口が早く治ります」
亮は絆創膏の透明のシートをはがし脇腹に貼った。
「でも病院へ行かなくちゃ・・・」
玲奈は心配そうに亮の顔を見た。
「分かっています。玲奈さん申し訳ありません。
沙織さんを呼んでください」

「亮さん、警察に引き渡す前にこの男に依頼者を吐かせた方が
 良いんじゃないですか?」
亮が男のところへ行くと仁木は男の顔を叩いた。
「いいえ、この男は口が堅そうです。
 仕事に失敗して自殺するかもしれませんよ。
 注意してください」
亮は20代の黒いスーツ姿の男を乱暴に
扱われないように仁木を止めた。

「そう言えば。ある組織の部下は仕事に失敗すると
 腹を切って自殺する事で有名ですね。この前も
 幹部の男が行方不明だとか」
「自殺は表向きの話で本当は何かドジを踏んで始末されたんだろう」
仁木と三雲が男を冷ややかな目で見詰めた。
20代男は仁木と三雲の会話を聞いて体を震わせた。
「なあ、兄さんよ。やくざな人間はまともな感情じゃない、
 自分の事しか考えていなんだ。
いったいいくら金をもらっているんだ?」
仁木が男の顔を取り上げたナイフで叩いた。
「まさか、ノーギャラで幹部にしてやるなんて
馬鹿な話じゃないだろうな?」
三雲が笑った。