グッド・ジョブ媚薬8 黙示録97 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「F電機は総会屋とがっちりと組んでいて
 問題解決の為には随分乱暴な事をするそうですが?」
笑っている内村を横目に甲山は総会屋の
妨害を心配していた。
「はい、総会屋塩見正長です。かなり強引な手で
株式総会を抑え込むそうです」
「それなのにまたやるんですか?」
「はい、やります」
亮は甲山に自信をもって答えた。

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女装した小関がトランクを車に乗せると運転席に
大飯が乗った。
「さて行くぞ」
「この女物の服を脱がしてもらう、どうもウエストがきつくて
 たまらん」
「破っていないだろうな、後でその服を着せないとまずいぞ」
「大丈夫だ。そろそろこの女トランクから出すぞ。窒息したらまずいからな」
「ああ、明日の夜に上海行きの貨物船に乗せて
上海に着くまで船員に嬲り者になって
中国の領海に入ったら殺して海に捨てられる」
「気の毒にな、一思いに殺されて方が楽だろうに」
「死体が見つからないようにが依頼人の希望だ」

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銀座の寿司店は高級店が多く
銀座で飲んだ社用族が会社接待交際費で
食べる人がほとんどであるが
接待になれた男たちは味にうるさく、
少しでもまずい物を提供すれば
あっという間に噂は広がり
高い家賃の銀座では商いは成り立たなくなり
閉店に追い込まれる。



ゆえに日本中の食通が集まる銀座の店主は緊張の毎日なのである。
その中でも銀座の老舗長兵衛に入った
黒崎長一郎は2人の美女と寿司を食してご機嫌だった。

「美喜君、実は渋谷道玄坂にあるセレクトショップの店長が
 辞める事になってね。君に任せるから自由にやってみないか」
「本当ですか?じゃあそこで私のデザインの商品を売れるわけですね」
「うん、そうだ。当面売り上げの事は心配しなくていいから、
 それに海外に仕入れに行くならそれも良い」
「黒崎さん素敵!仕入れなら香港が良いわ、
この前も香港に行ったばかりなの」
正一郎は今夜美喜を抱けそうな雰囲気に興奮していた。

「うん、いいよ。君の自由だ。そうだ仕入れに
多額の現金を持って行くだろうから
ボディガードにマギーと一緒に行くと良い」
「はい」
美喜は正一郎に答えマギーに微笑んだ。
「どうだ、報酬の話は静かな所で2人きりでしないか?」
「そうですね」
美喜は正一郎の話を受け入れた。
「よし!」
正一郎は塩見のところに確認の電話を入れた。
「例の件は片付いたか?」
「はい、今部屋を連れ出して監禁場所に向かっています」
「分かった、くれぐれも例の件は守ってくれよ」
「はい、処理は3日後、中国で行いますのでご安心ください。
 死体は見つかりません」

「分かった、よろしく頼む」
正一郎は自分のアリバイを確保した安心に
顔が綻んでいた。
「さて、行こうかな。美喜ちゃん」
「はい」
「マギーは我々をホテルに送ってもらえば帰っていいよ」
「はい、承知しました」
マギーは後ろから手を回し美喜に白いピルを渡した。
「あら」
マギーがカウンターに目をやると
お土産寿司を持った亮が微笑んでいた。