グッド・ジョブ媚薬8 黙示録92 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

正一郎は自分の妻、
黒崎泉を知っている絵里子に言い訳していた。
「そう、それなら美喜ちゃん打って付だわ。
 頭も良いしお父さんがアメリカ人なので
英語も話せるし」
「そうか英語もできるのか」
正一郎はますます美喜に興味を持った。

「いらっしゃいませ、美喜と申します」
美喜はお店の一番奥にあるVIP席の前であいさつした。
「お疲れ様、美喜さん」
眼鏡にハットをかぶった亮が美喜に言った。
「ああっ、亮もう来たの」
正一郎を足止めするように指示されて美喜は驚いて居た。

「はい、思ったより早く話が済んだので」
「良かった、あいつ自慢話ばかりで。
 黒崎グループの創業者は絵里子さんの
 ご主人なんでしょう」
「そうですよ。関西のドンと言われた亡き黒崎憲治氏です」
「そうよね。あいつ自分が作った会社みたいなこと言っていたわ」
「美喜さん、田代悦子さんがあの黒崎さんと
 別れるように仕向けてきました。
 だから美喜さんは彼女の後釜に
 入れるように話をしてください」

「えっ、急に言われてもどうしたら」
「できますよ。段取りはできていますから、
 黒崎さんを籠絡してください。
 くノ一の得意技でしょう」
「つまり私を愛人にしたい気持ちにさせればいいのね」
「そうです。そうすれば後はうまく行きます」
亮はそう言って美喜に袋を渡した。

「これ何?」
「スタジオDの最新のブラです。
 繊維の中に金糸が織り込んであって
 ホールド感とマイナスイオン効果で美乳になります」
亮はブラを手に取って広げて見せた。
「これは香水?」
「はい、母乳に含まれているオキシトシンが入っています。
 その香りを嗅ぐと子供が母親を信頼するように
 相手に思いを寄せさせます」
「それ、素敵」


「香水はまだ使った事が無いので効果は分かりませんよ」
「でも、いい香りじゃない。早速使ってみるわ」
「はい、スパイシー系のセクシーな香りにデザインしてみました」
亮は香水の香りを褒められてニコニコと笑った。
「ところでそのブラはどう言う意味?」
「金糸をダイヤ状のネットにしてカップに付けた
10万円のブラの付け心地後で教えてください。
男の僕にはわからないので」
亮は自分の胸筋を揉んでみた。

「じゅ、10万円もするの?」
「はい、思ったより金の値段が高かったので・・・」
「今、付けて黒崎に迫ってみるわ」
美喜はブラを持って更衣室へ行った。

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「甲山君、キャシーは独身なのかね?」
正一郎は体を伸ばして甲山に聞いた。
「はい、そう聞いていますが」
「あれだけの美貌と資産だ、世界中の男性が放っておかないだろう」
「はい確かに、でも彼女とバランスが取れる男性となると・・・」
「あはは、確かに。申し訳ないが身長、ルックス、職業、資産を
トータルすると日本人男性では彼女の相手は務まらないだろうな」
正一郎が偉そうに言うとすべて知っている
絵里子が横を向いて笑っていた。

「それとアメリカンウエブのロビンの隣にいた日本人
 誰だかわかるか?」
「さあ、見当が付きません」
甲山は亮の姉美佐江と知っていながら白を切っていた。
「まあどのみち、一夜限りの女だろう」

そこに10万円のブラに付け替えた美喜が戻ってきた。
「お待たせしました」
「ん?美喜ちゃんなんか変わっていないか?」
「うふふ、そうですか」
美喜は胸を突き出しその谷間を正一郎に見せた。
「あはは、ママに聞いたよ。美喜ちゃんの元の仕事」
「ママ、内緒にしてって言ったのに・・・」
「ごめんなさい、黒崎さんがどうしてもって言うものだから」
美喜は怒ったふりをすると同じく
芝居をして絵里子は美喜に謝った。