「なるほど・・・」
亮はそう呟き滝つぼを覗き込むとそこに
いきなり引き込まれた。
「な、なんだ」
泳ぎを覚えたばかりの亮は洗濯機の渦に引っ張られ
どんどん滝つぼ深くに引き込まれそれに
逆らう事は出来なかった。
滝つぼの底は信じれら無いほど深く3m、5mと
まだまだ、底は見えず亮の止めた息に
限界が来ていた。
「僕はここで水死か?今までみんなに助けられてきたけど
1人じゃダメか・・・」
亮は水に抵抗する事を止め体の力は抜いた。
~~~~~
「ゴボッ、ゴボッ」
ハワイの病院のベッドの亮は
口から激しく水を吐き出した。
「おいおい、心臓が動き出したと思ったら
口から水を吐き出しているぞ、
酸素吸入だどんどん酸素を送り込め!」
スミス医師の指示で看護師たちは亮の口にマスクを掛け
高圧酸素送り込んだ。
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滝つぼに引き込まれている亮の口中から
泡がボコボコと溢れ亮は急に呼吸が楽になった。
亮はまるで溶岩石を浸透させ湖底に自殺者を沈める
中禅寺湖のように滝つぼの底に張り付いて身動きが出来なくなった。
「呼吸が楽になると言う事はもう直ぐ死ぬのか・・・
ただ、この体の持ち主に悪いな」
亮はそう思いながら気を失っていった。
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森と小妹と美喜と一徳4人は22時過ぎに白金台駅の前の
ファミレスに入った。
「変だな、亮の電話繋がらない。マサカリが見つからないなら
電話をくれればいいのに」
小妹が亮の事を心配した。
「事故にでもあったのかしら・・・」
「あいつの事だきっと大丈夫だ。神に護られているからな」
森は美喜の心配をよそに簡単に答えた。
「もし、こっちの亮にもしもの事があったら
ハワイの本物の亮も死んでしまうのよ」
「小妹。本当か?」
亮が体を乗り出した。
「うんそうよ。あれ?樫村さん」
小妹はスーツ姿で入って来た樫村見つけ声を出した。
「おお、樫村さんファミレスでデートか?」
森は立ち上がって樫村に向かって手を上げると
神妙な顔をしていた樫村にはそれが目に入らなかった。
「だめだわ、私達に気づいていない」
テーブルに座った樫村はコーヒーを頼んで
入り口を向いたまま水を一口で飲んだ。
「なんか、お見合いみたいにコチコチなんだけど、樫村さん」
小妹と森と美喜が顔を見合わせて笑った。
そこに美咲とマギーが入って来た。
「あっ小妹、外に止まっているSUVの中で戦闘服に着替えて」
「了解」
小妹と美喜がお店を出ると森が立ち上がった。
「森さん、男性は後よ。それで亮は?」
マギーは周りを見渡した。
「足柄に置いて来た」
「えっ、どうして?」
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「お疲れ様。樫村さん」
美咲が声をかけると樫村が立ち上がった。