グッド・ジョブエピソード0 留学編55 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「尚子さん、着物を借りに行ってきました。ちょっと地味ですけど」

「ありがとう。でも私着付けが出来ないんだけど」

「大丈夫です、僕が出来ます」

「えっ?」

尚子は亮が着付が出来る事を聞いて驚いた

「はずかしいでしょうけど勘弁してくださいね」

亮がすまなさそうに言うと

「大丈夫です、着替えの場所に男性がいるのは慣れていますから」

純子も尚子も亮をいやらしい男性とは見ていなかった


2人と別れた亮はフレイザー警視に連絡を取り純子をテレビ局で取材をして

くれるように頼んだ

「君の頼みだからしょうがない、ついでにスミス学部長に頼んだらどうだ

 教え子にマスコミ、テレビ局の重役がいるはずだ」

「はい、頼んでみます」

「そう言えば、君と友達になりたい学生がたくさんいるらしいが

 ずいぶん付き合いが悪いらしいな、学部長が嘆いていたぞ」

「そうですか、僕は人が集まる場所が好きじゃないだけです」

「そうか、付き合ってみるといい奴なんだがな君は」

「はあ、ありがとうございます」

亮はフレイザー警視に言われた言葉が嬉しかったが

なんと返事をして良いかわからず礼を言うのがやっとだった

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翌朝、グリニッジのBigGrillでは11時オープンの準備で

忙しそうにしていた。

奥の控え室から着物姿で出てきた純子にマスコミの人間が取り囲んで

インタビューを始めその通訳は尚子がかってでた。

「亮、どうだ私の力もまんざらでもないだろう」

フレイザー警視が亮の肩を叩いて言うと

「わざわざ来てくれたんですかありがとうございます」

亮が丁寧に礼を言った

「いや、今朝頼んだマスコミが来てくれたか心配だったから」

「はい、これだけ来てくれると本当に嬉しいです」

「ところで、この前パソコンで性犯罪前科者のデータを見ていたが

どれくらいの期間覚えているんだ?」

フレーザーの質問に亮は

「まだ忘れた経験が無いのでわかりません」

「ん?」

フレーザーは亮の言った意味が分からなかった


「亮、今度警察で色々研修を受けてみないか」

「射撃訓練ですか?」

亮が嬉しそうに答えるとフレイザーは肩をすくめた

「残念ながら、似顔絵とか科学捜査の講習だが聴講生で特別にどうだ」

「はい、科学捜査なら興味があります。スケッチは得意ですよ子供の頃から

 植物のスケッチをしていましたから」

「ははは、そうかそれはいい」

前日配ったライスボールの効果と純子のテレビ取材効果で

BigGrillのオープニングは成功し夜遅くまで長蛇列が続いた

翌日、純子は日本に帰り亮とデビッドと尚子は週末まで

お店を手伝い金曜日に銀行家が視察に来て

BigGrill全店のリニューアルに対しての融資が決まった

「デビッドと亮のお陰で銀行の融資が出てうちの店の全面改装が決まった

 ありがとう」

ジョージは日曜の金曜日の夜に手伝いに戻ってきたローラを加えて

3人を前にして礼を言った

「さて、デビッドが会社を作る当って出資をするが1つ条件がある」

「なんですか?パパ」

デビッドは神妙な顔をして聞いた

「デビッド、会社の経営の参謀に亮をつけること、決して

 自分1人では決めてはいけない、亮には天性の才がある」

「もちろんわかっているよ。僕もそのつもりで社名もD&Rにする」

「デビッドとリョウか?」

ジョージが聞くとデビッドはにこやかに答えた


「いいやパパ、Dはデビッド・キャンベルではなくて

僕の恩師ダニー・シェーファー教授のDRはリョウのRだよ

「デビッドずいぶん謙虚だな」

「ああ、謙虚さは亮に教わった、サムライの心だ」

デビッドが亮の顔を見ると亮は照れてうつむいた

「では会社を作る事が決定したので報告する事があります」

亮は中国と日本から投資を集める事が出来る事を説明した