部員は白川に聞いた
「馬鹿やろう、後ろから面を叩かれるなんて最低だ」
「でも、彼女が早くて」
部員が言い訳をすると
「ほら、後1本だ。やられるなよ」
しかし、部員は悩んでいるうちに
抜き胴を決められた
「おいおい、彼女は何流だ?」
「伊賀流、服部半蔵の正統な子孫です」
「おい、凄いぞ」
「俺も」
白川は防具をつけると健は小雪に
「あいつの得意は篭手から突きだ、だが小雪の構えは下段
だからいきなり突いてくるかも知れない」
「分かりました」
小雪は左下段に構え息をゆっくり吐きながら
2メートルほど右側に飛び込むと体を低くしたまま
体を1回転させて白川の胴を打ち目の前で全店をして白川の
左に回りジャンプして白川の面を打った
「1本!」
白川は自分で声を上げた
「まいった、君のスピードには」
白川は小雪に頭を下げた
白川が着替えると元冷泉瑠奈からメールが来た
「今お昼休みです電話をください」
白川は直ぐに電話を瑠奈にかけると
「白川さんどうしたの?」
「瑠奈さんに東京からお客さんです」
「誰?もしかしたら雨宮さん?」
「どうして分かったんですか?」
白川は驚いて聞いた
「彼は我が家のお客様なので家の方へ来てもらってください」
「は、はい。ではお連れします」
「お願いします」
白川は健の方を見て
「雨宮さん、元冷泉家にご案内します」
「あら、急に丁寧な言葉になった」
小雪は驚いて健に言った
「うん、何か様子が変だ。さっきもお姫様と言っていたし」
「はい、確かに」
3人は大学を出てもう一度北山へ向い
白川は玄関のチャイムを押した
「どちらさまでしょうか?」
聞こえた声は若い女性だった
「白川です。東京から来た、雨宮健をお連れしました」
しばらく待たされると
「どうぞ」
と言う声が聞こえた
「小雪さん」
健は小雪の顔をみつめた
玄関から案内されて応接室は大きなシャンデリアが
高い天井から吊るされていた。
そこにダークスーツ姿の男が入ってきて3人を微笑んで迎えた
「お嬢さんに言われて、雨宮さんをお連れしました」
白川は背筋を伸ばし直立不動で話をした
「いらっしゃい、元冷泉義成です」
「雨宮健です」
「服部小雪です」
2人は頭を下げると
「すみません突然、あのう・・・」
健か話そうとすると
「雨宮君、君は全日本学生剣道チャンピョンだね。
知っているよ。白川君に聞いて居るし私も剣道教会の会員だから」
「ありがとうございます」
「ところで、どうして私の家に」
「実は・・・」