ホラー小説 地獄タクシーⅡ 八章 髪鬼 7 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「あはは、私も仲間に入れてください」

山野が頭を下げた

「お願いします」

礼司と浜田と由美と屡奈は立ち上がって山野と握手をした

「こちらの入っている情報を伝えます」

浜田が手帳を持って話し出した

「山野さん寿々ちゃんを呼んでくれないか?」

「は、はい」

山野が寿々を電話で呼ぶと

「死んだ少年は三軒茶屋高校の二年生、佐渡武志バイクは自分の物ですね、

交友関係は調査中です。これは時間がかかりますね」

浜田が話を終えると

寿々が恐る恐る喫茶店のドアを開けた

「兄さん」

「ああ、寿々忙しいところ悪かったな」

「ああ、さっきの男」

寿々は浜田を指差した

「寿々、この人たちは悪い人たちじゃない」

「そ、そうなの?」

「うん」


「あっ、寿々ちゃん」

「こんにちは」

寿々は川島由美に気づき頭を下げた

「寿々ちゃん」

由美は寿々の手を握って興奮していた

「どうした?川島」

「実は向こうの寿々ちゃんが白血病で命が危ないの」

「えっ?」

山野が寿々の顔を見た

「脊髄移植すれば治るんだけどドナーがいなくて」

寿々が首をかしげていると川島がパラレルワールドの世界の話を

丁寧に話した。そして、もう一人の寿々の話をすると

山野寿々は涙を目に浮かべ

「私の骨髄液を上げてください」

「ええ、ありがとう寿々ちゃん」


「さて、寿々ちゃんに聞きたい事があるんだが」

礼司は警戒をされないように優しく話した

「はい」

「なくなった、岡本さんの事なんだけど」

「ええ、昨日の11時に白髪染めとセットをしました」

「うん、それで何か言っていなかったかな?」

「実は息子さんの法事が明日あるって言っていました」

「えっ?息子さん亡くなっていたのか。気の毒に」

「ええ、去年交通事故で。話しながら泣いていました」

「明日という事は今日か」

「そうですね」

「寿々ちゃん亡くなった場所は?」

「聞いていません」

「わかった。浜田すぐに調べてくれ」

「はい」

浜田が喫茶店から外へ出るとすぐに電話をかけた

「寿々ちゃん、もういいよ。ありがとう」

礼司が頭を下げると

「あの、骨髄液の件が決まったら連絡ください」

「はい、ありがとう」

由美が微笑んで返事をした

「私は管轄外ですが、この当たりは地元なので何でも言ってください」

「わかりました」

そこへ浜田が入ってきた

「わかりました、岡本さんの息子さん三軒茶屋の路上で轢かれています」

「加害者は?」

「ええ、ひき逃げ逮捕されて市川交通刑務所に入っています」

「そうか、相当恨んでいたろうな」

「えっ、その事件。犯人は誰ですか?」

山野が聞くと

「国松光男です」

「横浜緑区在住の?」

「はい」

「それはうちの所轄も捜査をしたんですよ」

「何か?合ったのか?」

礼司が聞いた

「それが、車の所有者が東京の人なんですよ。世田谷選出の都議で飛田という人です」

「じゃあそいつ、車を貸したとか言っているんだろう」

礼司は良くある話だと思って聞いた

「そ、そうなんです。すごく怪しかったんですけどけどね」

「じゃあ、身代わりか」

「ええ、そうかもしれません。でも自供していますからね。

それ以上の捜査はしませんでした」

「そうか」

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