ホラー小説 地獄タクシーⅡ 七章 鏡鬼 22 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

礼司は車を大沢池の縁を走ってすぐに

名古曽の滝の前に車を止めた

「ここか」

「ええ」

二人は滝の周りを歩きいていると

礼司の持っている根付が光りだした

「ん?」



礼司は声を出して周りを見ると

2mほどの黒く大きな岩が根付の光のシグナルに反応して

「ゴーンゴーン」

と低い音を鳴らしていた

「この奥から音が聞こえるぞ」

「うん、聞こえる」

夕暮れの薄暮に大きな岩全体が青白く光はじめた

「どうすればいいの?」

「わからん、でも、とりあえず」

礼司は鬼のノブをポケットから取り出し

右手に持ってそれをかざした

すると、礼司の体の中を風だ通りぬけた気がすると

頭の中に色々な物が見えた

「入るぞ?」

「えっ?」



礼司は魔美の手を握った

すると二人の体は岩の中に吸い込まれると

そこは光り輝く洞窟の中だった

「何だ?ここは」

礼司が周りを見渡すと

金や刀剣、陶器が数十メートルの洞窟の中に並んでいた

「金銀財宝だ」

「ああ、佐々さんが見たら驚くだろうな」

「うん、キャー」

魔美が洞窟の奥を指差すと

人の形が浮かび上がった

「何だ?」

礼司はそれに近づくと

「甲冑だ」

「うん」



「正真正銘の平安、鎌倉時代の物だ」

「分かるの?」

「ああ、安土桃山時代つまり織田信長の時代は

 もう少し体にフィットしている、

 あの首無しの武者の様にな」

「ああ、そうか」

「これも鬼だ」

礼司は兜の星(額の)部分を指差した

「本当だ」

そして鎧の腰の部分を見ると

そこには白鳥の羽が織り込んであった

「おい、魔美」

「はい」

「白鳥の羽があったぞ」



それは、古くなって色が黄ばんでいたがまさしく

白鳥の羽だった

「魔美これだ」

「うん根付もピカピカ光っている」

礼司は羽を取り手に持って

「行くぞ」

「うん」

礼司は魔美の手を握って鬼のノブを掲げると

岩の前に戻った

礼司と魔美は車に戻り佐々に電話をした

「佐々さん見つかりました」

「本当ですか?」

「詳細は戻ってから」

「私の方も鏃が出来上がります」

「では、家元のところで」

「はい」


礼司が30分で家元の道場へ着くと

弟子が迎えに来た

「家元はまだ作業中です」

「分かりました。我々が着いたと伝えてください」

「分かりました」

そこへ佐々が鏃を持って

道場に着いた

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