ホラー小説 地獄タクシーⅡ 七章 鏡鬼⑦ | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「犯人はどこにいる?」

「まだ、上野警察署から池袋警察署

移送されているはずですが」

「ぜったい犯人に鏡を見せないようにしなくてはいけないぞ」

「えっ?」

「次は絶対犯人が喰われるぞ」

「わ、わかりました、池袋警察に行って見ます」

「頼む」

三人はホテルを出ると

浜田は池袋警察へ向かった

「俺達は足取りをたどる」

「はい」


「川島」

「はい」

「何か変わった事がないか?」

「えっ、実は最近何か感じるんです」

「やはりな」

礼司はラブホテル街の駐車場の影に入って

由美の額に手を当てた

「額がピリピリとします」

「心を開け」

「はい」

由美は何も考えず

心を大きく広げた



すると色々な声が頭の中に入ってきた

「夜野さん、感じました」

「うん・何がだ?」

「何か来ました」

二人が再びラ・セゾンの前に立つと

「土田が井上さんを殺して死んだ三人と

接触したと考えられないか?」

「ええ、たとえばホテルの中とかこの辺りの道路とかで

すれ違ったんじゃ」

「ああ、たとえば塚田道子が彼氏と歩いていて

小西栄一は浮気相手歩いていたとか」



「じゃあ、東幹夫は?」

「土井は上野で捕まったのでおそらく

ここから川越街道へ出たんだろう

そこで何らかの接触があったんじゃないか」

礼司はホテル街から東口へ渡る陸橋を指差した

「そうですね、人を殺して駅に向うやつはいませんね」

そこに二人の前を猫が横切ると

「あら、猫ちゃん」

由美が声をかけると両足をそろえて

猫は立ち止まった



「夜野さん、おとといここで男が二組のカップルと

ぶつかったそうです」

「ん?誰が言ったんだ」

「この猫ちゃん」

礼司が近づくと猫は

逃げていってしまった

「聞こえたんだな、猫の声」

「はい」

「退治した獣鬼のパワーが付いたんだろう」

「私だけですか?能力が付いたのは?」

「いや、浜田も沢村にも付いたはずだ」

「はい」



「まずいぞ、土田が逃走中に接触した人がもっといるはずだ」

「その人たちが鏡を見たら頭を喰われてしまうんですか?

「おそらくな」

「なんとか、助けなくちゃ」

「助けるためには鬼を退治するしかない」