ホラー小説 地獄タクシー 一章 双鬼 ③ | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「うん、首都高一周でいいのかな

「はい、じゃあこのシフトノブつけてくれる」

それは、金色に光る鬼の顔の形をしたノブだった。

「何だれ」

「何も聞かないで」

少女は礼司の目を見つめて話した

「ま、しょうがない」

ハンドルの脇のコラムシフトのノブを回し

取り替えた。一瞬車が光った。


「ん?、何か変だな?」

「大丈夫よ。きっと。ふふふ」

「じゃあ行くか、シートベルトしろよ

「うん」

エンジンをかけると、キーンと言う音がした。

「ん」礼司が変な声を出した

料金メーターの貸切ボタンを

押してタクシーらすと

「後を見て」少女が言った。


礼司が車を止めて振り返ると

「な、なんだ」

それは、さっきまで乗っていたタクシーだった。

「おい、どういう訳だ」

「あはは、これね魂だけの車、夜野さんもね」

「なに、それにどうして俺の名前知ってる」

「ここに書いてあるじゃない、私魔美よろしく」

「意味がわからないぞ」


「まあいいでしょ。お金払うから」

「金かあ」礼司はしぶしぶ車を走らせた

タクシーは青山墓地を抜け246号線

出て右に曲がり霞ヶ関のランプに向った。



つづく