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いよいよ、伊豆トレイルジャーニーのスタートです。

宿前から出た満席の大会バスに揺られながら、スタート地点の松崎新港に4:15に到着しました。
すでにランナーがちらほらと見受けられます。
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僕は同じ部屋だった宮さんと記念撮影をしたり、荷物を預けたり、トイレの順番待ちをしていたりしながら、スタートまでの時間を過ごしていました。
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今回の装備は、完全防寒スタイル。
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仁科峠はマイナス2度、5〜8mの風、残雪有りという山の状況が場内アナウンスで繰り返されていました。
このスタート地点の漁港も海の風がまともに吹き付け、とてもじゃないけど半袖短パンでなどいられません。
短パンの人もいるにはいたけど、寒さに必死に耐えているのが一目瞭然です。
やせ我慢などせずに素直に着込めばいいのに、とみんなが思っていたことでしょう。

5:30にスタートゲート前に並ぶとすでにランナー達でごった返ししており、真ん中より後方にしか並べませんでした。
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最前方では鏑木さんや千葉さんらのアナウンスで盛り上がっています。
スタート10分前に今回の招待選手が並び始めた模様です。
僕の位置からでは確認する事は出来ませんが、荒木選手や川崎選手も穏やかな笑顔を見せながらスタート最前列に並んだ事でしょう。

6:00 スタートしました!
いよいよ71.7kmの旅の始まりです!
僕はこの瞬間が大好きです。

まずは夜明け前の暗闇の中、3kmのコンクリートの林道を走ります。
僕は団子状態のど真ん中を、人を避けながらまた後ろから追い抜くランナーに体をぶつけられながら、走りました。
それにしても、電池の残量が足りないのか、ヘッドライトの光量が全然足りません。
最後のエイドで電池交換をする事になるでしょう。
予備電池を持ってきて良かったです。

やがてトレイルの入口に到着しました。
ここでは当たり前のように大渋滞しましたが、やがてとろとろとトレイルに入りました。

そうこうしているうちに夜が明けました。
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その後も何ヶ所かのトレイルで渋滞に合いました。
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その理由は橋が原因していることが多いです。
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木で作られた橋は脆く、1人ずつしか渡れません。
辛抱強く待つしかありません。

ところでゴアテックス製のレインジャケットを着てのランニングは、あれだけ寒い中だったのに思っていた以上に暑かったです。
汗をかなりかいてしまいました。
トレイルを1km進んだところで、隊列から外れてレインジャケットをバックパックに収めました。
ミッドレイヤーの化繊はそのまま着ていました。

ITJの前半は砂利の林道にかなり苦しめられました。
僕の足裏はしたたかに石に打ち付けられ、親指側の盛り上がったところがかなり痛んできました。

また、自分でもペースが遅いと気付いていましたので、最初の給水ポイント 8.4km W1 宝蔵院はそのままスルーして先を急ぎました。
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ここからも林道メインのコースが続きます。
嫌だな〜、っ思いながら、次のエイドに向けて走っていました。

予想に反して気温か上がらず少し汗が冷えてきたようです。
途中でレインジャケットとは別に持ち込んだサロモンのウィンドブレーカーをバッグから引っ張り出し着込みました。
これを持ってきて本当に良かったと思いました。


10時前に最初の給食エイド、24.9km地点 A1 こがね橋に到達しました。
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トイレを済ませてから、エイド食 松崎名物桜葉餅をパクつきました。
こうして走ってきた後に、あんこが詰まったお餅が食べられるのはとてもありがたかったです。
包まれた桜の葉もお餅と一緒に食べられて美味しかったですね。

また、マップを広げて次のエイド地点までの確認をしながら、持ってきたパンも食べました。
こういう時は(どういう時だ)一番食べたいものや好きなものを持ってくるのが一番です。
エイド駐留時間は15分ぐらいだったでしょうか。
パンを頬張りながら、ぼちぼちと歩いて再スタートしました。


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相変わらず林道が続きました。
でも脚は走れないほどのダメージはなく、登り勾配もピッチピチ走法(マラソンのピッチ走法よりもさらに超小股な走り方。名付け親は私(笑))で距離と時間を稼ぎます。

しばらく進むと、前方を行くランナーのバックパックに貼られたナンバーカードに、どこかで見覚えのある名前がアルファベットで印字されているのが目に入りました。
僕の名前と全く同じ名前⁉︎
よくよく見ると、僕の名前に"a"という一文字だけ追加されている文字がありました。
僕は思わずそのランナーに声をかけました。
「◯◯さんですか⁈」
相手の方は一瞬キョトンとして僕を見ました。
それはそうです。いきなり、見ず知らずの素行の知れぬ人間から名前で呼ばれたのですから。
自分と名前が酷似してるので思わず呼んでしまったと、非礼を詫びました。
漢字でも一字違いのその方は、フルマラソンもウルトラマラソンもトレランもする60歳を超える強者でした。
その方のラン仲間もART(阿蘇ラウンドトレイル)に出るとのこと。
しばらく一緒に走り、記念撮影をし、再会を願いつつ僕は先を行くことにしました。
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こんな出会いもあるものですね。
トレラン大会ならではです。

林道を進むと、ようやくそれらしいトレイルが現れ始めました。
ここからが本当のトレイルランニング です。
森をくぐり抜け、急登を上がり、稜線を走るなど細かなアップダウンを繰り返しながら、このコースの最高標高地点 1,035mの猫越岳(ねっこだけ)へ向けて、ジリジリと高みを上げていきます。

しかし表示は常に仁科峠・猫越岳→と出ているのですが、期待に反して行けども行けども猫越岳には辿り着くことができません

天候のせいか水はあまり消費していないので、足りなくなる心配はありません。
だいたい僕は持ち過ぎる傾向にあり、今回も2lを持ってきました。
それよりも気温が低く、厚めのグローブを着けていてもいつまで経っても手が暖かくなる事はありませんでした。

いくつかのピークを越えながら喘ぎながら走っていた時です。
パッと横を見ると駿河湾が一望できるスポットに出ました。
綺麗な海で、このコースが海に近いところにあるんだなと改めて思いました。
景色に癒された瞬間でした。
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やがてようやく猫越岳に上がれました。
見晴らしが良いということもなく、なんて事はないピークなので、写真も撮らずそのまま通過しました。

ここから急降下した後しばらくは多少の登りがあるものの、下り基調の稜線道を走れました。
そしてあるピークに達しようとした、その時です。
前を行くランナーから歓声が上がりました。
なんだろうと思いながらそのピークに達した時に歓声の理由が分かりました。
北の方角、真正面にくっきりと富士山が見えたのです。
間違えなくコース上で最高の見どころです。
僕も他のランナー同様に、そこに待機しているスタッフにスマホのシャッターを切ってもらおうとスマホを取り出しました。
がしかし、スマホの充電が切れているではありませんか!
少し前にバッテリーに接続して充電100%になったのを確認して、ジャックを外したのを覚えています。
ほとんど使っていないのに、こんなに早く充電切れになるはずはありません。
どうやら寒さでスマホの充電が速攻で落ちたようです。
スマホの低体温症です。 
という事で、この日最高のビューポイントを撮り損ねてしまいました。
がっかりしながら仁科峠へと降りていきました。

稜線を走り終え、アスファルトの道路に降りました。
ここがかの仁科峠です。
仁科峠では何台ものドライバーの方々が足を止めて、僕らランナーを応援してくださいました。
エイドまでもう少しです。

やがて、43.5km A2 仁科峠に到達しました。
ここでは名物・しおかつうどんが食べられます。
もちろん僕もしおかつうどんを食べるための列に並びました。
しおかつうどんはカツオの出汁がしっかりと効いていて、ここまで走って不足している塩分も補ました。
最高の味でした。
足りない分はあんぱんをコーラで流し込みました。

スマホは、あの時バッテリーに接続していたのに、まだ充電できておらず電源が入りません。
長居は無用とばかり、食べるものを食べるとすぐに出発しました。

次のエイドは11km先の土肥駐車場です。

僕のウェブサイトです。