ボンジュール、マーボーです
東京での学生時代、田舎の母がファックスで3万円送ってくれた事がありました。
初恋の人に逢いたくなりました。
在宅ワーカーで暇を持て余している昨今。
読書頻度も消費税の様に微増いたしまして月に3,4冊読むようになっております。
そしてまた傑作という書物に出会いました。
この奇跡の出会いがあるので読書がやめれない。やめる必要無いけど体に影響ないし。
その書こそ瀬尾まいこさん作「あと少し、もう少し」
あと少し、もう少し (新潮文庫)
637円
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ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。
頼りない顧問のもと、寄せ集めのメンバーがぶつかり合いながら挑む中学最後の駅伝大会。襷(たすき)が繫いだ想いに、溢れる涙が止まらない傑作青春小説。
陸上部の名物顧問が転勤となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の太田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。
この本を知ったきっかけは、私が本を買うのに参考にしている読書中毒ブロガーの記事を読んだからだ。その記事にはこう書かれていた。
「風が強く吹いている」よりもぶっちぎりでいい。
「風が強く吹いている」とは私の知り合いの知り合い(ほぼ他人)である三浦しをん先生が書かれた大学駅伝が舞台の傑作。映画化、アニメ化もされているよ。
読む前からハードルは上がりっぱなし。
もはや棒高跳びになっていた。
もうねぇ、無重力かって言うぐらい軽く飛び越えていっちゃった。
ページをめくる指が止まらねえこの渇望感久しぶりだぜ。
6区間18kmの中学最後の駅伝大会を描いた作品。
区間ごとに主人公と語り手が変わっていきます。
1区は内気な設楽、
2区は不良の大田、
3区はお調子者のジロー、
4区はクールな渡部、
5区は2年生の俊介、
6区は陸上部部長の桝井。
自分の区間が終わるともうその主人公が語り手となることはありません。
しかしそれで役目が終わったわけではない。
同じ時間を語り手を変えることにより繰り返し描き出し、
襷が繋がるたびに彼らの独白によってどんどん6人の人間が濃くなっていきます。
走った距離が伸びるのに比例して彼らのことを知り、愛おしくなっていく。
この小説の語り手が紡ぐ事実を知りることはまるでドキュメンタリーの告白の様に
私の脳みそとハートを乱暴に丁寧に揺さぶる。
彼らが仲間を思い、仲間を求める姿に眩しさを感じてしまう。
なぜ作家の描く走る人というものはこんなにも眩しいのだろう。
彼らの通う市野中学高は昨年まで満田先生という信頼されていた体育教師の陸上部顧問がいたのですが、異動により新しく陸上部顧問になったのが美術教師の上原先生。
もちろん陸上の事なんて一切知らない。
練習の仕方も、タイムの取り方も分からない、桝井いわく「どんくさそうでとろそうでひょろひょろしていて。陸上部を受け持つのに一番不適切な教師。
わずか三回目の練習で涙ぐみ「私、辞めようかな」と新入社員の様なことを言ってしまう。
そんな上原先生だけど語り手たちによって区間が進むごとに彼女もまた濃くなっていく。
彼女もまた主役の一人なのだ。
私は勝手に上原先生を有村 架純嬢として読んでいました
俺ね、生まれ変わったら陸上部に入る。
野球部なんて入らない。先輩怖かったし丸坊主だったし。ぜんぜんモテねえし(原因は顔だけど)
普段小説を読まない人にも是非読んでほしい。読みやすい小説だし、体の内部が洗われるから。
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