第一章 ストーリー①


私たち三人はいつも一緒だった。同じマンションに住んでいる同級生は私たちしかいなかったし親たちも仲が良いから、幼稚園から私たち三人はずっと緒だ。

三人の中で女子なのは、私、雪川冬乃だけだ。あとの二人、紫月日向と村田飛鳥は男子だ。女子一人、男子二人というバランスの悪い私たちだけど、私たち三人は仲が良い。

その二人の中でも、私は日向のことがずっと好きだった。幼なじみとして飛鳥のことが好きだけど、今の私は日向以外の人を恋愛対象として見ることはできない。今の関係を壊したくないから日向に告白はできないけど、いつか言えたらいいなと思っている。

だから私は知らなかった。もう少しで日向が私たちの前からいなくなってしまうってことを…。


今は十月。文化祭の準備が進んでいる中、私と飛鳥は日向に放課後、「裏庭に来て」と呼び出された。私たちは「文化祭のことかな?」と思い、裏庭に行った。ちなみに私たちは今、高校二年生で三人とも同じクラスだ。

裏庭に着くと、そこにはもう日向がいた。私はなんで呼び出したのかを聞いてみた。

「どうして私たちを呼び出したの?」
「俺もそれ、疑問に思った。用があるなら、ここに呼び出さなくても、マンションでいえばいいのにさ。」

私の質問に続けて飛鳥が言った。

「…飛鳥と冬乃は幼なじみだから、早いうちに言っておきたくて…。」
「言っておきたいことって?」

私と飛鳥がそういうと少し間があって日向が言った。

「…実は俺、クリスマスにこの町を出るんだ。」
「この町を出るって、引っ越すってこと!?」
「そういうことになるな…。」

私はこれを聞いて悲しくなった。まだ、日向に告白してないのに、日向が引っ越すなんて…。私は本当に悲しくて、涙が出そうになった。でも、ここで泣いたら日向のことが好きだってばれるかも知れないから、私は泣かないでこう言った。

「どうして引っ越すの?答えてよ…。」
「…父さんの仕事の都合で…。ごめんな。今までずっとお前らと一緒にいたのに、俺がこんなことになっちゃって…。」

日向は嘘なんてつかないから、日向が言っている本当だ。仕事の都合は仕方ないけど、私はやっぱり、ここまで一緒にいたんだから、高校卒業まで一緒にいたかったよ。

私は今までの感情がおさえられなくなって飛鳥にあたってしまった。

「どうして飛鳥は何も言わないの?日向が引っ越すんだよ!!嫌じゃないの?」
「そんなの、俺だって嫌だ。今までずっと三人でいたのに一人、かけるなんて…。でも、こればっかりは仕方がないんだ。だからさ、もういいんじゃない?ためていた涙を流しても…。」

私はこの言葉を聞いた瞬間、今までためていた涙が一気に流れた。

飛鳥はいつも優しい。私が言ってほしい言葉をいつも言ってくれる。私は飛鳥のこういうところが幼なじみとして好きだ。でも、恋愛対象としては、なんかが違う気がするんだよね。

「まっ、まだクリスマスまで時間はあるし、今を楽しんでいこうぜ。」

日向がそう言うと私の涙は止まって、気づいたら私は大きな声で

「うん!!」

と返事をしていた。そして、日向と裏庭から去って行った。その後、裏庭に一人で残った飛鳥はこう呟いていた。

「やっぱり冬乃は日向のこと…。きっと冬乃は何があっても日向のことが好きだから、俺にはもう、振り向いてくれないんだろうな…。」


この時の私たちはまだ、今までの三人でいれると思っていた。でもこのことをきっかけに、私たち三人の関係が壊れそうになるなんて、今の私は知らなかったのだ……。


   第一章 ストーリー②に続く…。