元夫と一緒にはじめた零細企業で働いているので正直、急な入院にも対応できた。自分のペースで仕事を出来たし、辞めろとか言われなかった。でも愚痴るわけにもいかなかった。お局様的ちょっと怖い女性がいるのだけれど、彼女が「娘さんの看病大変ね。ところで、あなたを助けてくれる人はいるの?」と聞かれたのだ。これが一番心に響いた。
大変なので私を皆が助けてくれるかというとそうではない。ボーナスも多額だし、毎年社員旅行も連れていっていたし、社員を大事にしていた。でも誰も私を助けてくれはしない。ボランタリーに綺麗好きな私が事務所を毎週土曜日2時間かけて掃除していた。完璧主義なので全部自分でやっていた。20年以上やっていた。でも娘の入院でそれどころでなくなった。誰かがやってくれるかと思った。一か月、二か月たっても誰もやらない。汚いままだ。半年たっても誰もやらず、誰かやってと言ったら、大ブーイングだった。仕方なく外注することになった。
本当は文句言いたかった。でも娘にたしなめられた。「自分がした苦労をどうして他の社員に押し付けようとするの?掃除は仕事に含まれてないよ」そうだ。そうなのだ。もう時代は違うのだ。私の古い考え方を改めさせられた。
自分が仕事がクビにならないだけで恩の字だ。謙虚にそう思えるようになった。大変でも仕事があるから、看護以外の時間を作れる。相性が悪くても毎日従業員と顔を合わせることで、視野が広がる。看護だけに気持ちが追い詰められることが避けられる。