§ 原田病の副作用 §


 ‡ ステロイド ‡ 

ステロイドとは、もともと私たちの体の中で作られるホルモンです。

別名を副腎皮質ホルモンと言い、腎臓の上部にある副腎という臓器の外側の部分(皮質)で作られています。

ストレスから体を守り、生きていく上で必要不可欠な働きを持つホルモンです。




 ‡ ステロイド剤 ‡ 

ステロイド薬とは、ステロイドの成分をもとに作られています。

体の炎症を抑えたり、病気の原因となっている免疫の異常を抑える薬です。

ステロイドには、飲み薬・注射・塗り薬・吸入薬などがあり、様々な病気の治療に使われています。




 ‡ ステロイド剤の注意点 ‡ 

ステロイド薬と聞くと、副作用のイメージが強いため、「できれば飲みたくない」 「早く薬の量を減らしたい」と不安に思う人も少なくありません。

副作用に対して過度に恐れるあまり、医師の指示通りに内服せずに病状を悪化させてしまうことがあります。

副作用を正しく理解して服用量を守ることが結果的には副作用の軽減につながります。

自分の判断で量を減らしたり急にやめたりしないようにしましょう。


ステロイド薬を長期間内服していると、本来正常に働くべき副腎が委縮してしまい、体内で作っていたステロイドの働きが弱まりホルモン量が低下します。

低下した状態で内服を止めると急性副腎不全と言って、
・全身のだるさ
・疲れやすさ
・脱力感

などを前兆として、その後、
・脱水
・血圧低下
・意識障害
・呼吸困難

など重症で生命を脅かすことにつながる危険性もあります。




 ‡ ステロイド剤の副作用 ‡ 

一般的にステロイドと呼ばれる医薬品は、ステロイド系抗炎症薬のことです。

主な成分としてコルチゾール(グルココルチコイド)を含みます。

炎症を抑えたり、免疫を抑制する働きがあります。

アレルギー疾患、膠原病・多発性硬化症など自己免疫疾患、悪性リンパ腫に対し奏効します

原田病にステロイド剤は、とても有効です。

ステロイド剤を大量に投与するとい
うことは高血圧を招いたり、血糖値の上昇などといった重い副作用を起こす危険性も含みます。

医師との連携、まめな状況報告と経過観察、検査がとても大切になってきますし、そのためには、入院しての治療が一番安心です。


ステロイド剤の副作用は、服用した期間、ステロイド剤の強さ、多めの量(30mg以上)を続けていると、いろいろな副作用がでやすくなります。


誰にでも同じように出るわけではありません。


期間、強さ、量などによっても違いがありますし、また個人差も大きく、副作用がまったく出ない人もいます。


また、副作用を抑える薬を同時に服用することもあります。


ここでは、よくあるステロイド剤大量投与の副作用は以下です。



 * 飲み始めに多い

・いらいら感
・不眠
・消化不良
・下痢
・吐き気
・食欲増進 などです。

軽い副作用の場合、病気によっては治療を優先しなければなりません。


 * 服用が長め
・にきび
・むくみ
・生理不順 などです

軽い副作用の場合、病気によっては治療を優先しなければなりません。


 * 長期服用
脂肪の異常沈着です。

多めの量を続けると、かなりの頻度で生じます。

・顔がふっくら(ムーンフェイス)
・肩やおなかが太る

ただ、これは減量すれば治りますので大丈夫です。


 * 大量もしくは長期の服用
・副腎不全
・ウイルス性肝炎
・各種感染症の誘発
・血糖値の上昇
・骨が弱る
・胃潰瘍
・気分の落ち込み
・眼圧上昇
・動脈硬化
・血栓症

などに注意が必要です。

また、副腎不全の状態で、急に中止すると重い反発症状がでる危険性があります。


 * 重い副作用
めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください。

“ 重い感染症 ”
・発熱
・けん怠感
・のどの痛み
・咳や痰
・息苦しい
・嘔吐               ・下痢
・皮膚発赤, 小水疱, ピリピリ痛い
・水ぶくれ        ・できもの

“ 副腎心不全、糖尿病 ”
・だるい
・吐き気
・下痢
・のどが渇く
・水をがぶ飲み      ・多尿
・食欲増進              ・太る

“ 消化管潰瘍、胃腸出血 
・胃痛                ・腹痛
・吐き気            ・嘔吐
・吐血(コーヒー色のものを吐く)
・下血(血液便、黒いタール状の便)

“ 膵炎 ”
・吐き気            ・吐く
・上腹部~背中の激しい痛み

“ 抑うつ 
・憂うつ            ・悲観的
・不安感            ・不眠
・気分がひどく落ち込む、
・やる気がでない

“ 骨粗鬆症 ”
・骨がもろくなる
・背中や足腰の痛み
・骨折

“ 目の重い症状(緑内障,白内障等) 
・かすんで見える
・見えにくい        ・まぶしい
・視力低下            ・頭痛
・目の痛み            ・吐き気

“ 血栓症 ”
・手足とくにふくらはぎの痛み, 
    はれ, むくみ, しびれ
・突然の息切れ, 息苦しい
・深呼吸で胸が痛い
・急に視力が落ちる
・視野が欠ける
・目が痛む            ・頭痛
・片側のまひ、
・うまく話せない
・意識が薄れる


 * その他
・いらいら感 , 不眠
消化不良 , 下痢 , 吐き気 , 
    食欲増進 ,  食欲不振
にきび , 肌荒れ , 毛深くなる , 
    頭髪の脱毛
生理不順 , むくみ , 血圧上昇 , 
    体重増加
脂肪の異常沈着
    顔がふっくらする , 肩や腹が太る
コレステロール値の上昇
低カリウム血症









次回は、病気について(原田病の副作用を正しく理解 “ 感染症, 糖尿病, 高血圧症 ” )をのせたいと思います。



[ 参考資料(引用)について ]

たくさんのページより、わかりやすい説明をあわせて文章にして、使わせていただきました。


画像も、たくさんのページより、なるべくわかりやすいものを使わせていただきました。